昭和40年代の残留農薬問題は食品汚染、環境汚染という観点で、
華々しく社会に登場した。
昭和50年代は暫らく鎮静化していたが、
昭和60年代に入ってからは、貿易摩擦に伴う食品の自由化の波の中で、
残留農薬の国際基準という新たな視点で、国際政治の渦の中に登場してきた。
そして日本における食品中の残留農薬基準は、
昭和43年に初めて3食品に5農薬の基準が定められて以来、
幾多の変遷を経て現在(2001.3.311)までに、
130食品に258農薬の基準(他に8食品に3農薬の暫定基準)が設定されている。 (完)
(○○県○○会誌、1986.7.10)
(参考)
昭和43年に僅か3食品に5農薬の基準で出発した農薬規制は、
それ以後の残留農薬基準は安全性と国際流通を考慮して、
平成15年にデポジットジット制が導入された。
すなわちデポジットジット制とは基準が設定されていない農薬でも、
一定量以上含まれている食品の流通を原則禁止する制度である。
現在(2012年)ではデポジット制の導入により、
あらゆる農産物に先進国並みの約1,300種の農薬が規制され、
安全性は勿論、国際流通問題にも対応できるようになっている。
また日本の野菜や果実等には農水産省が農薬や散布時期を厳しく規制して、
より食品の安全性は確保されている。
●思い出の写真から(76) 初めての東京見物② (昭和39年)
○浅草寺・宝蔵門
○靖国神社
○皇居・楠木正成像