鉢呂氏の経済産業相辞任の申し出が受理されました。
「死の町」や「放射能をうつす」発言は、確かにあまりにも軽々しく、
心情的には許されるものではないでしょう。
しかし、簡単に「不適切な発言」をし、すぐに「非難されて辞める」ほど、
大臣の椅子とはそんなに軽くてよいものなのでしょうか。
自民党政権時代も、民主党に政権交代してからも、
与党が失言を発するたびに、野党は「辞任だ」「任命責任だ」と声高に責め立て、
マスコミは憤る市民のインタビューばかりを報道する繰り返しです。
まるで日常茶飯事となっている台湾の乱闘国会のごとく、
日本は「失言政争」が政治の風物詩になってしまっています。
日本の政治がちっとも前に進まないのは、
政策とは無関係な「ガキンチョのケンカ」を繰り返しだからではないでしょうか。
もちろん、失言・放言・暴言は厳しく批判されるべきです。
しかし、そのたびに責任の取り方・取らせ方を辞任や罷免にしていたら、
本来の大臣の仕事などできようはずがありません。
また、辞任すれば禊は済んだとされるような風潮も大きな問題です。
こんなことを繰り返しているたびに、私たちの生活はどんどん苦しくなり、
日本の国際的評価も失墜しているというのに、誰も歯止めをかけようとしません。
私たち有権者も、半ばあきらめの心境で傍観してしまいますが、
このようなぐだぐだな政争とそれを煽るような報道を、
もっと強く否定していく必要があるのではないでしょうか。