くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

通行人アンケートのからくり

2014-12-29 22:36:46 | 日記

少し前の平日の昼間のことです。
ある私鉄沿線の住宅地にほど近い駅前で、
某野党の議員が通行人にアンケートをしていました。

「あなたはアベノミクスで景気が回復した実感がありますか?」

通行人は議員から丸いシールを受けとり、
真ん中で左右に「はい」と「いいえ」に分割されたボードに貼りつけます。
後日、そのアンケート結果が配られていました。

結果は、「いいえ」と答えた人が圧倒的多数でした。
「だからアベノミクスは失敗している」というのが彼の主張のようです。

一見すると公正な主張のようにも聞こえます。

でも、本当にそうでしょうか。
平日の昼間、住宅地の周辺を歩いている人に、
景気の浮き沈みを実感できる人がどれだけいるでしょう。
大手町や丸の内のビジネス街で聞けば、
結果はまた違ったものになるのではないでしょうか。

景気回復とは、お金を稼ぐ機会(チャンス)が増えるというだけです。
これまで通りのことをしていて、
お金が降ってきたり、湧いてきたりするわけではありません。
また、銀行の預金通帳の残高が自然に増えるわけでもありません。
残念ながら、すべての人が平等に、
誰でも景気が良くなるわけではないのです。

この議員が恣意的に行ったのか、
あるいはそんな疑問も持たず行ったのか、
真実はわかりません。 

でも、私たちは有権者として、
アンケートは実施者の都合の良いよう操作できる、
ということを常に自覚しておきたいものです。

 


朝日新聞社の危機管理能力

2014-12-27 09:29:20 | 日記

私の勤務する会社と取り引きのある会社の担当者いわく、

「朝日新聞に広告を出すと、会社のカスタマーセンターに、
 『なんであんな新聞に広告を出すのだ!』というクレームが入るんです。
 担当オペレーターは、そんなクレームへの対応は教えられていないので、
 右往左往し、自社商品とは全く関係のないクレーム対応に時間を割かれます。
 朝日新聞系列へ広告を出して、そのようなクレーム対応が増えると、
 逆に宣伝費用とオペレーター対応の時間のムダになりかねません。
 ですから朝日新聞系列への広告掲載はやめました」 

私が聞いたかぎりでは、こういう会社は一社だけにとどまりません。
もちろん、企業が朝日新聞に広告を出したからと言って、
その企業が朝日新聞の報道姿勢や主張を支持しているわけではないし、 
従軍慰安婦や福島第一原発の誤報記事とはまったく関係ありません。
むしろ、『なんであんな新聞に・・・』と電話を入れるクレーマーのほうが、
偏向していると言っても良いでしょう。

しかし、企業というものは経済的合理性で動くものです。
「広告と誤報記事とは関係ない」などと一般論を貫くより、
時間と費用の無駄になると判断したなら、
さっさとやめてしまった方が良いと考えるのが経営というものです。

朝日新聞の一連の騒動で、
購読者契約が減ったという報道は見聞きしましたが、
広告掲載の契約が減ったとは報道されていません。
しかし、仕事でいろいろな企業とお付き合いをしていると、
朝日系列への広告をとりやめた会社は、
間違いなく増えていると感じます。 

企業が事件や事故を起こすと、
マスコミはその対応や会見を取り上げて、
「危機管理がなっていない」などと批判します。
朝日新聞は、「広告の掲載と誤報記事とは関係がない」と、
正義感を燃やしているのかもしれませんが、
危機管理が一番なっていないのが、
当の朝日新聞ではないかと感じます。

社長が交代したって、
前任者や退職者の責任にしたって、
事態は収拾できません。
どこかの食品会社みたいに、
やがて過剰と思えるような対応をしなければ、
収拾がつかない可能性はまだあるのですから。