くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

富士「弾丸登山」をお考えの方へ

2013-06-29 23:59:59 | お出かけ
とうとう世界文化遺産に登録された富士山。
富士山に限らず、「世界遺産に登録されたから行きたい」という心理や、
「登録されたから来訪者が増える」という現象がいまいち理解できませんが、
今年の富士山は、なんだか大変なことになりそうな気配です。

そんな富士山では山開きを前にして、
弾丸登山の自粛を求める看板が設置されたそうです。

弾丸登山とは、夜間に登山口を出発して、徹夜で登山を強行、
山頂で御来光を拝んで下山してくるという「夜間日帰り登山」のことです。
山小屋で途中一泊する場合に比べ、体調を崩したり高山病になる可能性が高く、
某新聞社の調査では、山小屋で一泊した場合よりも、
登頂成功率は10%ほど低くなるそうです。

そうはいっても、7~8月には30万人もの人が訪れる山です。
週末の山小屋はどこも予約いっぱいで泊まれないのも事実です。
そうなれば、やむなく夜間登山を強行する人もいるでしょう。

かく言う私も、昨年、そうして弾丸登山を行った者のひとりです。
そこで見た、弾丸登山の実態は・・・


週末の富士吉田ルート。
四つある登山ルートの中で最も登山者が多く、
夜間でも道に迷ったり、人がいなくて心細い思いをすることはありません。

リタイア者が出始めるのは、7~8合目を過ぎるあたりから。
それまで元気だった登山者に疲労が表れ始め無口になってきます。
登山者同士の会話でにぎやかだった登山道がだんだん静かになり、
登山道のわきに座り込む者がちらほらと現れはじめます。

さらに標高を上げていくと、膝を抱えてうずくまる者の数はどんどん増えていき、
中には這いつくばって嘔吐したり、仲間に介抱されて下山する者も出てきます。
そんな悲壮な登山者をわき目に、ぞろぞろと無言の行列が登っていくのです。
その光景にふと「バターン死の行進」という言葉を思い出したほどでした。

それが深夜の富士山の登山道です。

もちろん、登頂できる人のほうが圧倒的に多いのも事実です。
しかし、自分が「うずくまる人」になるか、「登頂する人」になるかは、
確率の問題ではなく、体力と体調、そして運の問題です。
どんなに苦しくても自分の足で下山しなければなりませんし、
自己責任であることは肝に銘じておかねばなりません。

また、富士登山をするうえで、トイレの問題は避けて通れません。
高山病を予防するためには充分に水分をとり、我慢せずに排泄することが肝要です。

富士山のトイレはすべてチップ制になっています。
このわずかな100~200円を惜しんで、トイレを我慢する人もいます。
なぜか人は山に来ると、入れる(食べる)方にはお金を惜しまないのに、
出す(排泄する)方にはお金を惜しむ人が多いのです。

そうやって水分を控え、排泄を我慢し、体調を崩す登山者も少なくありません。
「山頂に着いたら行こう」などと思っていると、トイレの前の長蛇の列に絶句します。
「食べられるときに食べ、出せるときに出す」は、登山の大原則です。

もちろん、使用料を踏み倒すことなど言語道断。もってのほか。
日常生活で下水料金を支払うのと同じ理屈なのですから、
気持ちよく支払って、気持ち良く出したほうが、
登頂成功の確率はぐんとアップします。



スーパーマーケットに見る発展の原則

2013-06-25 23:14:27 | つれづれなるまま
昭和40年代後半から50年代にかけて、
街のスーパーマーケットではこんなフレーズが流れていました。

「便利で豊かな暮らしのお手伝い」

高度経済成長を遂げ、所得も増えた日本人は、
より便利で、より豊かな生活を求めていました。
そしてもう充分に便利で、物質的に満たされたいま、
街のスーパーマーケットではこんなフレーズが流れています。

「安全で安心な暮らしをご提供」

これを中国の消費市場に当てはめてみます。
近年めざましい経済発展を遂げ、国民の所得も増えた中国。
伝統食材のピータンが大量に生産され、庶民の手に届くようになりました。
安価な牛肉の流通によって、庶民の食卓に上る頻度が増えました。
食材にかけるコストダウンの努力で、庶民も気軽に外食できるようになりました。

そして便利さと豊かさに満たされた中国の人々は、
やがて「安全で安心な暮らし」を求めるようになるはずです。
ただし、その実態を国民が知りえて、声を上げることができれば・・・ですが。

中国の「便利で豊かな暮らし」は、
生命をかけなければならないほど、あまりにも危険です。
果たしてかの国の人々が、
「安全で安心な暮らし」にまでたどり着くことは可能なのでしょうか。



「バカ発見システム」の可能性

2013-06-24 22:32:36 | 政治経済のことも考えよう
ある新聞報道によると、「ネット選挙」について、
インターネットを使って投票ができるようになるのだと、
勘違いしている人が多いといいます。

「ネット選挙」の解禁が報道されて以来、
このような勘違いをしているネットへの書き込みも、
6割以上増えているのだそうです。

新聞記事でもネットのニュースでも、
いかに多くの人が見出しだけを読んで、
字面から勝手な解釈をしているか、ということでしょう。
本文まで読めば、勘違いであることが簡単にわかるのですから、
いかに活字離れが甚だしいかを示しているともいえます。

こんなことで、
「候補者・政党等から受けた選挙用電子メールを転送することの禁止」や、
「一般有権者が作成した選挙運動用電子メールの他者への送信禁止」など、
法律で禁じられたルールが守られるのは絶望的でしょう。

フェイスブックやツイッターなどを揶揄して「バカ発見器」と言うそうですが、
ネット選挙も、おバカな有権者が発見される機会になるような気がします。



謝罪する総務の常識

2013-06-19 23:06:34 | 総務のお仕事(いろいろ)
このところ相次いで見聞きする、
公務員や各種議員の暴言・失言への謝罪報道。

「不快な思いをさせたとしたら、謝罪します」
「怒りを覚えられたとしたら、申し訳なかった」
「誤解をされたのなら、言い方が下手だった」

このような謝罪コメントを見るたび、
謝罪に「○○なら」と条件を付ける神経が理解できません。
条件をつけること自体、謝罪の気持ちがないととられます。
クレーム対応なら、火に油を注ぐ絶対の禁句です。

このような人たちは、日ごろ上からものを言うばかりで、
言われる者の立場や気持ちがまるでわからないから、
このような物言いになるのかもしれません。
そのことを忠告してくれる親身な人も身近にいないのでしょうか。

謝罪に「条件」はありません。
正しくは、「○○なら」という条件ではなく、
「○○したことに対して」というべきです。



商売上手

2013-06-16 22:49:22 | つれづれなるまま
先日、ある飲み屋でのこと。一緒に行った同僚が、
いま話題のアサヒスーパードライエクストラゴールドを注文しました。
これは、アサヒスーパードライを専用のビールサーバーで、
氷点下2度に冷却して提供するというものです。

取り扱いの条件を満たした飲食店でしか飲めないというシロモノで、
そのプレミアム感も相まって、ビール好きなら一度は飲んでみたいそうです。

ところがその同僚、店員から注文を断られてしまいました。
エクストラゴールドは、サーバーが設置してある一階でしか提供していないと言います。
我々は二階の座席におり、ここに持って来るまでにビールの温度が変わってしまうため、
二階席には提供しないようアサヒから厳しく指導されている、というのがその理由でした。

「ちょっとくらい温度が変わってもいいからさ~」と食い下がる同僚も、
「ここにお持ちするときは、普通のスーパードライになってますから」の一言で納得。
店員の言葉を冷静に考えてみると、エクストラゴールドは最初の数口だけで、
あとは普通のスーパードライを飲んでいるということか。

妙に説得力のある店員の説明に、なんだか悟ったような同僚でした。