わが社では、日本国内のどこかで震度6弱以上の地震が発生したときは、
平日・休日、昼夜を問わず、地震が起きた地域の支店と本社の総務担当者は、
会社に参集し、支店管内に居住、または勤務する社員の安否や、
会社施設の被害状況を確認する決まりになっています。
東日本大震災が起きる前までは、
毎年2~3回は参集しなければなりませんでした。
ところがこのところは一年以上にわたって、
総務の防災担当者が集まらなければならないような地震は起きていません。
東日本大震災のちょうど1か月後(2011年4月12日)に発生した余震以降、
震度6弱以上を観測する地震は発生していないのです。
もちろんたまたま震源が海底だったからとか、
あるいは地中深かったから5強以下で済んだという幸運もあります。
内陸部の浅い場所が震源だったら、大きな被害が出たであろうと、
容易に推測できる規模の地震は何度も起きています。
気象庁によれば、震度3以上の地震は、
関東・東北に限っても、この1か月だけで20回起きています。
日本全国で起きた震度5弱以上の地震も、
昨年一年間で16回にもなります。
ここ最近、これほど地震が頻発しているにもかかわらず、
毎年日本のどこかで、必ず起きていた震度6弱以上の地震が、
2年近くも一度も起きていないのは、なんだか不気味でなりません。
大きな揺れがない分、
地殻は地震のエネルギーを溜めつつあるのでしょうか。
あるいは比較的小さな地震が頻発することによって、
溜まった地震のエネルギーは小出しに放出されているのでしょうか。
地震の専門家ではないので詳しいことはわかりません。
ただ、専門家と呼ばれる人の誰もが、
そこかしこで「危ない」「必ず来る」と言い続けているのですから、
少なくとも、小さな地震の頻発が、
大地震のエネルギーを減衰させるものではないようです。
「最近、地震が多いなあ」と同僚と話していて、
ふと、もう2年近くも地震で会社に参集していないことに気がつきました。
東日本大震災以降、
何度も何度も、「いつ」が危ない。「どこそこ」が危ない。
そんな情報をネットや雑誌で見聞きしてきました。
そのような予測があてにならないことは、
誰よりも行政や企業の防災担当者が知っています。
そんな担当者が絶対確実視しているのは、
震度6弱以上の地震はいずれ再び、必ず「起きる」ということ。
そしてそれが、「いつ」「どこで」なのかは、
誰にもわからないということだけです。