くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

電気料金は適正なのか?

2011-09-07 23:48:04 | 政治経済のことも考えよう
小さな記事ですが、今日の夕刊に掲載されていました。

「東電、原価設定高め ~ 経営調査委 電気料金に影響か」
 東京電力の資産の実態などを調べる政府の経営・財務調査委員会の会合で、同社の
電気料金の原価を過去10年分調べた結果、見積額が実績を常に上回り続けている項目が
あったことが報告された。調査委は、電気料金を必要以上に押し上げていた可能性があると
みて詳細を調べる。
(途中、省略)
 下河辺委員長は記者会見で、「見積もったコストより実際はかかっていないものが多い。
10年間分を累積すれば、(その差は)看過できないものになっている」と指摘。原価算定が
妥当だったかを、さらに検証する考えを示した。    ~ここまで、引用~

今日の朝刊では、火力発電の燃料費が増大したとして、
15%の値上げを検討するとした記事が掲載されたばかりの東京電力。
消費者に選択肢がないのをよいことに、まさにやりたい放題という感じです。

はたして私たちが支払っている電気料金は、
適正な原価の上に、適正な利益が上乗せされた、適正価格なのでしょうか。

もともと公益事業者は、法律でさまざまな制約を受ける反面、
万一の有事に備え、国によって手厚く保護されています。
一般の民間企業なら、一瞬で会社が吹き飛んでしまうような不祥事が起きても、
公益事業者は、そう簡単には営業停止や倒産に追い込まれることはありません。

そんな親方日の丸的な体質が、さまざまな弊害を生んできました。

「会社が大きければ、シェアが大きければスケールメリットが望める。
 スケールメリットで品質の良いものを安価で供給できる」
などと言うのは、お人よしの幻想に過ぎません。

独占状態であるということは、商品の品質も価格も、
自分たちで独自に決められるということにほかなりません。
国の認可が必要であるなどというのは、ただの手続きすぎません。

他社との競争がなければ、社内の経費を切り詰めてまでして、
「安価で良いものを消費者に提供する」という発想など生まれようはずがありません。

それが今の日本の電力会社ではないでしょうか。
競争原理の働かない会社は腐敗し、競争のない産業はやがて荒廃します。