上野の国立科学博物館で開催中の特別展、
「グレートジャーニー 人類の旅」展に行ってきました。
現生人類はアフリカで発祥し、約6万年前から地球上に拡散、
そしておよそ1万年前に南米大陸へ到達したと考えられています。
その人類がたどった53000㎞にわたる足跡を足掛け10年かけ、
探検家であり医師である関野吉晴氏が南米から逆ルートで踏破しました。
また、関野氏は41年間にわたって世界の辺境に住む人々と暮らし、
人々が培ってきた自然とともに生きる知恵や技術を記録し続けています。
この特別展は、そんな関野氏の旅の記録をもとに、
地球全体に拡散した人類が、過酷な環境の中でどのように生きてきたのか、
「熱帯雨林」「高地」「極北」「乾燥地帯」に暮らす先住民たちの、
いまもなお生き続ける知恵と技術を紹介するものです。
特別展チラシ
会場内はこんな雰囲気です。
展示では、カメラに写された先住民の子供たちの笑顔に引き込まれました。
私たちよりも過酷な環境の中で、物質的にも恵まれない暮らしでありながら、
そこに家族と暮らす子供たちの表情は、屈託がなく、とても幸せそうです。
そんなとき、きまって多くの人は、
「私たちは便利な暮らしと引き換えに、大切なものを失ったのではないか」
などと、わけ知り顔でうんちくを言いたくなるものです。
しかし、そこは日本を代表するアカデミズムの殿堂、国立科学博物館。
そんなそぶりを微塵も見せないところはさすがです。
アファール猿人(アウストラロピテクス)の復元像
アファール猿人の復元像は、
タンザニアで発見された360万年前の足跡の化石から復元されました。
並んで歩く大小三人の足跡から、彼らは家族であったと推定し、
足跡の大きさや歩幅から身長やおおよその年齢が割り出されたそうです。
情緒的な推定のようで、実はとても緻密な学術的検証に基づいています。