くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

今年も逃げられた!

2011-02-28 22:47:15 | つれづれなるまま
「逃げてゆく二月」
今年も早や二ヶ月が過ぎ、明日からは「去ってゆく三月」

仕事や学校の年度末のあわただしさは、年末の比ではありません。
「あれもやらなければ、これもやらなければ」と思いつつ、
二月が終わってしまいました。



「食べモノの道理」

2011-02-26 23:59:59 | 書籍の紹介
「買ってはいけない」や「食べてはいけない」といった、
化学調味料や食品添加物、農薬や化学肥料の使用に警鐘を鳴らす本が多いなか、
その対極にある数少ない本です。


「食べモノの道理」 佐藤達夫 著 / じゃこめてい出版 刊

「量」や「食べ方」の概念を考慮しないで食品を論ずることが、
いかに迷信じみて先入観に満ちあふれたものであるかを考えさせられます。

「買ってはいけない」や「食べてはいけない」などの本に対抗意識があるのか、
これらの本と同様に、ときどき論調が暴走する傾向もありますが、
どちらの主張を支持するかは読者次第です。

その一例を抜粋すると・・・

『牛乳害悪論』
日本では、なぜか数年に一度の割合で「牛乳害悪論」が展開される。
数年前に出版された著名な外科医が書いた本には、
「牛乳はウシの赤ちゃんの食べ物であって、ヒトの食べ物ではない」
というようなことが書かれ、多くの若い母親たちがその影響を受けた。
そもそも「ヒトの食べ物」という定義をするなら、
豚肉やホウレンソウなども、もともと「食品」ではない。
ヒトが勝手に「食品」と決めつけているだけで、どれもこれも「他の生物の死体」である。
初めからヒトの食べ物として存在しているのは、せいぜい「母乳」と「果実」だけである。
牛乳は栄養学からみて、その栄養価は理想に近いと研究で評価されている。
重要なのは栄養の偏りに注意し、正しく摂取することである。

『酒は百薬の長』
「適量の飲酒は死亡率を低くする」という研究報告がある。
これは科学的にも確かな研究結果であるとされているが、
その適量とは、平均して二日に純アルコールで20グラム、
日本酒なら一合弱、ビールなら中ビン一本弱である。
これで我慢できる酒飲みがどれほどいるだろうか。
これに対し、酒が健康に悪いという研究結果は山ほどある。
結局、「酒は百薬の長」というよりも「百害あって一利あり」程度のモノ。

『日本食は体にいい』 
世界で注目される日本食。
日本の長寿地域のお年寄を調査すると、
伝統的な日本食を中心にした粗食であったという研究発表が多い。
しかし、日本食ばかりを食べていた戦前の日本人は、
欧米人に比べて体は小さく、不健康で平均寿命も短かった。
戦後、洋食文化が普及し、急速に日本人の体格が良くなったのは紛れもない事実であり、
それが日本人に体力をつけ、平均寿命をのばしたことと無関係であるとは断言できない。
問題は食事内容の洋風化が行き過ぎていることであり、
伝統的な和食を取り入れて栄養バランスを正しく保つことであり、
和食を食べることが健康になるということではない。

『善玉と悪玉のコレステロール』
「善玉」とされるLDLも「悪玉」とされるHDLも、ヒトの体には大事な栄養素。
コレステロールに「善玉」と「悪玉」があるわけではなく、
コレステロール値を調べる静脈血に残っていれば、
運動不足か食べすぎで使われていないというこである。
正すべきは、コレステロールを取らないことではなく、食べすぎと運動不足である。

『フィンランドショック』
緑黄色野菜が肺ガンのリスクを減らすという研究成果がある。
緑黄色野菜に豊富に含まれるβ-カロチンに予防効果があるとされている。
そこで1985年にフィンランドで喫煙男性3万人を対象に、
β-カロチンを与えた人とそうでなかった人の追跡調査が行われた。
もし、期待通りの結果がえられれば、肺ガンはβ-カロチンの投与で予防できる。
しかし、この調査は計画の6年を待たずに中止された。
なぜなら、β-カロチン投与群のほうが肺ガン発生率が高く、
総死亡率も高くなったからである。
この研究結果は世界中を駆け巡り研究者たちにショックを与えた。
同様の研究が繰り返されたが結果は同じであり、
そこから純粋なβ-カロチンの摂取は、
食物から摂取するの効果と同じではないという結論が導き出された。
このようにサプリメントについては、まだまだわからないことが多く、
過大な期待をすることは禁物である。

『おいしい食べ物は体に悪い』
おいしいものが体に悪いのではなく、
ヒトの舌が体に良いものをおいしく感じるように進化してきただけ。
太古より地球上の生物は食物獲得のために進化してきた。
そのため、ヒトは必要な栄養素を効率よく摂取できる食べ物をおいしく感じ、
また、他のライバルたちより少しでも早く腹の中に収められるよう、
やわらかいものをおいしいと感じるように進化してきた。
体にとって一番大事な栄養素であるタンパク質を豊富に含む肉類が、
植物性タンパク質よりもおいしく感じられ、
その次に重要な脂質と糖質をおいしく感じられるのは当然なのである。
要は、食べ物に困らなくなったにもかかわらず、
おいしいからと摂取し過ぎることが問題なのであり、
肉や砂糖などの食物そのものが体に悪いわけではない。

『ダイエット』
「これを食べればやせる」という食べ物は、この世に存在しない。
体の中に食べ物が入れば、その分だけ体重が増えるのは物の道理である。
それは飲み物、たとえ水であっても同じである。
ただ、食べ物の持つカロリーよりも、
体が消費するカロリーのほうが多い場合にのみ、
一定時間を経て体重が減るだけである。
もし「食べればやせる」というものがあれば、それは食品ではなく薬品である。

・・・などなど、言われてみれば当たり前の道理なのですが、
言われなければ気がつかないことも多いものです。



名刺の威力

2011-02-24 23:26:32 | 総務のお仕事(反社対応)
「工事現場に警察官名刺」
これは、先日の朝日新聞のネットニュースで見つけた記事です。

それによると、茨城県で建設中のトンネル工事で、
建設業者が工事現場の事務所の入り口に、
地元警察署幹部の名刺の拡大コピーを貼り付けていたというものです。

建設業者によれば、
工事開始前から政治結社や民族団体を名乗る者から、
「仕事をくれ」と脅しまがいの依頼を受けたため、署に相談に行き、
そのとき交換した警備課長らの名刺を防犯の意味で貼っていたということです。

それ以来、そのような団体は来ていないということですが、
朝日新聞からの取材を受けた警察署が建設業者に抗議をして、
工事現場事務所ではこれを外したそうです。

警察では、公記号の不正使用などの違法行為にあたるとは認識していないが、
「警察と工事業者が結託しているかのような誤解を受ける」として抗議したといいます。

                            「新聞記事の詳細はこちらから」

反社会的勢力が、不当要求の際に相手を威圧するため、
毛筆体で書かれたまがまがしい名刺を示すのはよくあることですが、
これはその逆の示威行為を実行した例です。

この警察関係者の名刺の掲示は、威力抜群だそうです。
私も以前、ある現役の警察の方からこのような話を聞いたことがあります。

それによれば、ある新装開店したパチンコ店に巡回に行ったら、
そのパチンコ店事務所の応接室の壁に、自分の名刺の拡大コピーが貼ってあったそうです。

そのパチンコ店も、日頃から反社会的勢力の不当要求に悩まされていたため、
警官の名刺のコピーを壁に貼り、来店した反社会的勢力をその応接室に通すと、
世間話をしておとなしく帰ってしまうようになった、と店長が話していたそうです。

その警官の偉いところは、
苦笑しながらもこれに抗議はせず、そのまま掲示することを承諾したということです。
さらに私たちにも「推奨はしませんが」と前置きし、
「反社会的勢力の不当要求排除のためには、
  このような名刺の使い方もあることを紹介しておきます」と公開してくれたのです。

冒頭のニュースも、掲示場所を事務所の入り口でなく、
応接室などの室内に貼るのが、警察への配慮というか常識というものでしょう。
その点が、この建設業者の認識の甘さです。

誰にでも目につく事務所の出入り口でなけでば、
このような報道記事にはならなかったと思います。

また警察も、「反社会的勢力への資金源を断つ」という点では、
一般企業も警察も目的は同じであり、お互いに連携が必要なのですから、
「結託しているかのような誤解を受ける」などと梯子を外すようなことを言わず、
「貼るなら室内にこっそり貼ってね」と言うくらいの度量がほしいものです。



パンダに夢はあるか?

2011-02-23 22:50:05 | 今日の出来事
上野動物園にパンダがやってきました。
中国へ支払うレンタル料は、年間7900万円の10年間契約だそうです。

高額のレンタル料を支払ってまでパンダを借り受けることは、
賛否両論あるようですが、ある新聞の社会面では、
新宿で就活中の女子学生のコメントとして、
「無駄な公共工事にお金を使うよりも、こういう使い方のほうが夢があっていい」
という記事を掲載していました。

その新聞が、数ある意見の中から、
なぜこのコメントをとりあげたのか、その真意をはかりかねますが、
公共工事の「無駄・無用論」「悪者論」は、
パンダと引き合いに出されるほど、
国民の心の隅々にまで深く浸透しているのは間違いないようです。

パンダを借りることが夢のあることかどうかはさておき、
レンタル料として支払えば、8億円は国外へ流出してしまいます。
しかし、仮に無駄といわれる公共工事に投じられたとしたら、
その多くは職人の人件費などとして使われ、資金は国内を還流します。

公共工事をしたほうがいいとか、パンダを借りることが悪いとか、
そういう問題を論じるつもりはありません。

「公共工事」「無駄」「夢」・・・
どれもマスコミの報道に頻繁に登場するキーワードです。

それを見るにつけ、
このような簡単な理屈もわからず(あるいは不勉強か)、
紋切り型の発想で熟慮することのない学生と、
その発言をことさら意図的に取り上げるマスコミを残念に思うのです。



シンパシー

2011-02-22 23:04:14 | 今日の出来事
出勤時の駅前の風景。

毎朝、7時前から駅前に立ち、自分の名前のノボリを立てて、
「いってらっしゃい」と連呼する議員さんたち。
きっと統一地方選挙をふまえての前哨戦なのでしょう。

一方、そんなセンセイのすぐ近くで、
道行く人に「おはようございます」と声をかけながら、
パチンコ店のティッシュを配っている二十代と思しき女性。

どちらも生活がかかっていることに変わりはありませんが、
ティッシュ配りの女性のほうにシンパシーを感じてしまうのは、
それが若い女性だからという理由だけではないでしょう。

いまの一般市民の気持ちは、
「いってらっしゃい」と声をかけるセンセイたちよりも、
毎朝、ティッシュを配るこの女性のほうに
遥かに近いのではないでしょうか。