くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

返事くらいしよう

2011-07-16 16:44:14 | これが会社で生きる道
「佐藤さん、田中商店の渡辺さんから電話です」

同じ部署内の女性社員が、代表電話にかかってきた電話をとり、
近くにいる佐藤さんに、彼あての電話であることを伝えました。

彼女の声が聞こえたのか、聞こえなかったのか、
佐藤さんは、なにやら真剣にパソコンのディスプレイを見つめ、
無言のままキーボードを叩いています。

すぐに佐藤さんの机の電話が鳴り、彼は受話器をとりました。

「お電話かわりました。佐藤です」

どうやら女性の声が聞こえていなかったようではないようです。

このような場面を目にしたことはないでしょうか?
一日に何度も、同じ女性社員が電話を取り次いでいると、
男性社員はだんだん横着になり、返事もしなくなってきます。

仕事に集中していることをアピールしたいのか、
「返事などしなくても聞こえているよ」とでも言いたいのか、
中堅社員より上の年代になると、そんな社員がとたんに増えてきます。

そのくせ、聞こえなかったと思った女性社員が、少し強い口調で二度繰り返すと、
「今日の彼女は、なんだか機嫌が悪そうだ」と同僚どうしでささやきあいます。
大変失礼きわまりないオヤジたちです。

多くのビジネス本を読むと、
「あいさつが報連相(コミュニケーション)の基本」であると書かれています。
「はい」というたった二文字の返事ができないのですから、
「おはよう」とか「おつかれさま」などといった言葉が言えるわけがありません。

社外からの電話を受ける女性社員は、電話を取り次ぐのが仕事です。
それに対し、無言のまま返事をしないというのは、
彼女の仕事を軽視している、あるいは無視しているに等しいことです。
彼女が「できました」と持ってきた書類を、無言で受け取るようなものです。

自分の仕事が同じように扱われたら、どのように感じるでしょうか。

たかが電話の取り次ぎなどと思ってはいけません。
職場を見渡すと、「あいさつ」よりももっと基本的なことができていないということは、
まだまだあるようですです。