福島の放射能汚染加工肉の流通問題で、これを出荷した農家が、
禁止されていた原発事故後に刈り入れた牧草を飼料として与え、
県には「事故前に刈り入れたもの」と虚偽の申告をしていたことが発覚しました。
「震災による配合飼料の不足からやむなく行なった」とは言え、
一農家のその場しのぎの行為によって、福島産の食肉牛の市場は大暴落し、
同じ県内の畜産農家は死活問題に陥ってしまいました。
窮地に立たされた人間は弱いものです。
九州電力のやらせメール問題同様、
どんなにコンプライアンスを強化し、また規則や法律を厳しくしても、
必ずそれを逸脱する人間が出てきます。
そしてその結果、正直に取り組んできた者までを巻き込み、
さらなる窮地に追い込まれるという悪循環が生まれます。
人間がすることである以上、
「絶対」や「完全」などというものはありません。
原子力発電所の運転もまたしかりではないでしょうか。
しかし、九電といい、被災農家といい、これでは自国を棚にあげて、
かの国のことを「信用できない」なんて言っていられません。