国連児童権利委員会が日本の歴史教科書について、
アジア・太平洋地域の歴史に対するバランスのとれた視点が見られず、
他国と子供たちとの相互理解の増進を阻んでいるとして、
日本政府に教科書内容の見直しを勧告しました。
「国連の児童権利委員会が、なぜ歴史教科書問題を?」
と思って調べてみたら、委員長がソウルの成均館大学の教授でした。
つまり、日本と韓国・中国との間にある歴史教科書問題について、
「子供たちの公正な歴史教育を受ける権利が阻害されている」
という切り口で日本を追い込もうとする意図が見え隠れしています。
しかもこの組織は、以前にも日本政府に対し、
日本の教育制度は「高度に競争主義的」であり、
それがいじめや精神的障害、不登校、中退、自殺につながるとし、
学校制度および学力に関する仕組みを再検討するよう勧告しています。
いまの韓国の超過激な競争主義教育と受験地獄は、
かつて受験戦争と呼ばれた、高度経済成長期の日本の比ではありません。
韓国では、大学受験で就職や出世、結婚までもが決まるのは有名な話です。
しかし、それが韓国で世界に通用する大企業を生みだし、
急速な経済発展と先進国への仲間入りをもたらしたのも事実です。
翻って日本では、かつて受験競争を反省し、「ゆとり教育」を導入しました。
そしてそれは約20年の歳月をかけ、子供たちの学力を低下させ、
「競争の避けられない実社会を生きぬく精神力」を衰弱させていきました。
おそらく一刻も早く手を打たなければ、今後の日本は、
あらゆる面で、ますます国際競争力を弱めていくことになるでしょう。
日本がそのことに気づき始めた矢先、国連児童権利委員会は、
日本政府に対して「教育制度が競争主義的」との勧告をつきつけてきたのです。
「子供の権利を守る」ということにかこつけて、
「日本を封じ込めようとする邪意」を感じるのは、考えすぎでしょうか。
「児童の権利に関する法律」は193ヶ国が批准しているといいます。
日本に対して恣意的な、重箱の隅をつつくような勧告をするよりも、
委員会が本当にやらなければならないこと、
向き合わなければならない国は他に山ほどあるはずです。
さもなければ、各国が分担している虎の子の
大いなるムダ遣いと言わざるを得ません。