くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

ガラスの心に育てないために

2010-07-24 23:35:09 | 子育て

「オンリーワン」とはすなわち、「ナンバーワン」であるということです。
ナンバーワンになれないオンリーワンは、とっても苦しいもの。
「だったら、みんなと一緒のほうがいい」と思うくらい辛いものなのです。

もともと人は誰でも、その存在がオンリーワンです。
姿かたちも違うし、性格や能力も一人一人みな違います。
この世に二人といない、唯一無二の存在です。

しかし、ただそれだけの、
「人と違う」というだけのオンリーワンでは、
残念ながら社会では通用しません。

そのようなオンリーワンが100人、1000人と集まっても、
結局それは「大衆」でしかありえません。

「ナンバーワンよりオンリーワン」という教育方針は否定しません。
子供たちに生きていく術としての「オンリーワン」を目指させることは、
とても大切なことだと思います。

しかし、それと同時に、
「それが、いかにナンバーワンを目指すことより努力を要することか」
そのことを理解させなければ、単なる甘言でしかありません。

「世界に一つだけの花である」ということだけで生きていけるほど、
世の中は甘くないことを、当の大人たちが一番知っているはずです。
「もともと特別なオンリーワン」だということは、
単に「人と違う」ということに悩んでいる人への慰めにしかなりません。

それを幼稚園のころから子供たちに歌わせ、
「オンリーワン」は素晴らしいと刷り込むのですから、
なんとも罪つくりな教育方針です。

内閣府の調査で、15~39歳未満の「ひきこもり」は、
全国で推計70万人いると発表されました。

実社会は、学校の学級会ではありません。
理想は、同時に現実を教えてこそ、意味のあるものになるのです。