くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

裁判傍聴(3)

2010-07-21 23:19:13 | 今日の出来事

東京高等裁判所へ控訴審の第一回公判の傍聴に行ってきました。
傍聴したのは、今年3月に一審判決の出た裁判の控訴審です。

一審の第一回公判はこちらです・・・裁判傍聴(その1) / 裁判傍聴(その2)

一審の判決は、懲役12年の求刑に対して懲役9年でしたが、
被告人側はこれを不服として控訴していました。

公判は、わずか5分で終了。
人定質問のあと、
弁護側の「精神鑑定と被告人質問を請求します」という控訴理由に対し、
検察側が「精神鑑定、被告人質問の双方とも必要ありません」と反論し、
裁判官が「裁判所は、精神鑑定と被告人質問の必要性を認めません」と結論。
「よって、第一審の審理をもとに判断します。次回、判決は9月・・・」
と締めくくって閉廷です。

あまりのスピード閉廷に、
弁護士は「認めない・・・ですか?」と絶句し、
私も含め、傍聴席の女子大生らしき三人組も「唖然」です。

控訴審というものは、
審理のやり直しを行うものと思っていましたが、違っていました。

帰社して調べてみると、
控訴審というのは、一審の続きであると解釈されており、
新たな証拠だとか、違った法解釈の争いなどがなければ、
審理のやり直しは行われないということだそうです。

同行した会社の上司がひと言。
「なんちゅう税金の無駄づかいだ!」

このわずか5分の公判のために、
被告人を拘置所から護送し、
刑務官やら書記官やら裁判官が関わり、
裁判費用はすべて税金で賄われています。

「この程度の内容なら、通知書の送致で充分ではないか」というわけです。

きっと「被告人の権利」とかなんとか、
いろいろ理屈があって、この手続きがあるのでしょう。
でも、素人にはやっぱり税金の無駄にしか思えないのでした。