不景気を反映してか、
最近また、警察などへの「M資金話し」の相談が急増しているそうです。
私が対応した「M資金話し」では、耳にしたことがなかったのですが、
財政法44条というのを持ち出して、相手を信用させるそうです。
架空の条文かと思いきや、調べてみたら本当にありました。
『財政法44条
国は法律を以って定める場合に限り、特別の資金を保有することができる』
財政法は国の財政に関する基本法で、予算の種類や作成、
執行などについて定めた法律です。
「M資金」をもちかけてくる輩は、
「この法律に基づく国際流通基金がある」とか、
「政府の基幹産業育成基金がある」
などと言って相手を信用させるのだそうです。
そんな基金が本当にあるのなら、
「法律を以って定める場合に限り」とあるのですから、
「国際流通基金」や「基幹産業育成基金」について定めた法律が別にあるはずです。
しかし、資金に困窮している経営者は、
財政法44条という条文が本当にあると確認できただけで、
まんまとだまされてしまうようです。
おそらく、藁にもすがる気持ちがそうさせてしまうのでしょう。
「財政法44条」「国際流通基金」「基幹産業育成基金」
「無利子」「返済不要」など、これらの言葉が出てきたら、
まず「M資金詐欺」だと思って間違いないとのことです。
ところで最近の私の体験では、
あからさまに「融資する」という話はありません。
バイオ燃料やクリーン電力の開発など、
いま話題のジャンルにからんだ共同事業をもちかけてきて、
「いまからツバをつけておけば、事業が本格的に動き出したとき、
他社に先駆けて有利に仕事ができる」
そう言って出資を求めてきます。
そして「この不景気に、そんな出資できるような余裕はない」と断ると、
「そういった企業のために、このような基金があります」
と言っていわゆる「M資金話し」になるパターンです。