くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

親方日の丸はやめられない?

2010-07-22 22:46:05 | 政治経済のことも考えよう

先日のゆうパックの遅配事故について、
郵便事業㈱の配達員約6万人が、
全国約5千万戸の利用者へお詫び訪問するそうです。

遅配事故でマスコミから「親方日の丸体質」と批判されたと思ったら、
今度は、卑屈なまでの「お詫び行脚」への方向転換です。

しかし、お詫び行脚するのは、経営層や経営管理者層の職員ではなく、
組織の末端(最先端)で実動を担うスタッフたちだというのが、
これまた「親方日の丸」的と言わざるを得ません。

郵便事業㈱の経営者は、これが「誠意」だと本気で思っているのでしょうか。
利用者が、こんな謝罪を望んでいるとでも本気で考えているのでしょうか。

今回の遅配事故は、明らかに統合を急いだための準備不測であり、
現場の不始末ではなく、経営の見通しの甘さにあったことが指摘されています。

本来であれば、経営責任者が公の場で会見し、
事故の根本的な原因を説明して謝罪する。
また、今後のペリカン便とゆうパックの統合見通しと再発防止を説明する。
法的に損害賠償すべきものについては、きちんと賠償する。
もちろん迷惑料などというものは、要求されても支払う必要はありません。
戸別訪問しなくても、これで充分なのではないでしょうか。

むしろ、昔、倒産した証券会社の社長の記者会見のように、
「社員(現場のスタッフ)は悪くありません。責任は自分にあります」
と謝罪したほうが、遥かに利用者の共感が得られると言うものです。

「お詫び行脚」のような、こんなトンチンカンな謝罪をするから、
おかしな勘違いクレーマーが、世の中にはびこる原因にもなるのです。

しかも、総務省の「地デジの準備はお済ですか?」の案内まで、
郵便事業㈱の配達員が担うといいます。

お年寄りに地デジのことを質問されても、回答に責任を持てず、
「不明な点はデジサポセンターへ電話してください」
としか答えられない配達員になぜそのようなことをさせるのか疑問です。

郵便事業㈱と総務省では、「タイミングが悪い」と苦笑しているそうですが、
「タイミングが悪い」と自覚していながら、なぜ別の方策を考えようとしないのでしょう。
笑って済ませているなど、まさに「親方日の丸根性、ここに極まれり」です。

「謝罪するときは、謝罪だけをする」
「事情に不案内で責任を負えない者は担当者にしない」

この普通の会社で当たり前のことが、なぜできないのでしょうか。

今度は、「謝罪」と「地デジ」が原因で遅配が生じたら、
それこそシャレになりません。

ゆうパックの配達員の皆様には、本当にご同情申しあげます。