「米が一握りしかないだよぉ」
与平(左卜全)のセリフ
小学生のおいらには衝撃的だった

初めて「七人の侍」を観たのは確か4年生の時だった
当然レンタルビデオはおろかベーターやVHSの家庭用ビデオなんて発売されていなかった

おいらは歌舞伎町の映画館に行って観た記憶がある

「出てくる出てくる!米も味噌もいくらでも隠してやがる」
菊千代(三船敏郎)のセリフもインパクトは大きい
一時みんなで真似したもんだ

おいらが思うに小中学校で吸収したものが全ての土台になり10代前半でその人の人格は形成される


観たもの聴いたもの、多くの友達が居て仲間が居てこそ人生は楽しい
そんなことを思い出しながら相方と見入っていた
昭和29年の映画である、音声が聞き取りづらいが新しくフィルムから起こし、デジタル処理したバージョンはかなり良いのではないだろうか?
「七人の侍」を観て感動したユルブリンナーが黒澤監督に交渉し、英語版「荒野の七人」を製作したのは有名な話しだね
そちらはそちらでスティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン・・・と錚々たるキャスティングである
その買い取り価格はたったの250ドルだったとか

まぁそれはおいておいて
まさかこれをチェンマイで観るとは・・・・
果たしてこの映画は凄いと思った
昨今マンガや小説を元にしてしか出来ない糞映画が多い中で流石としか言いようがない

話は少しとぶが、この前「はじめてのおつかい」を吹き替えでやっていて笑ったって書いたね
ホテル近くのその民家

民家というには余りにも貧しい・・・土間みたいな所で寝ながらテレビを観てた
町中では物を売りながら地面に直接赤ん坊を寝かせ

貧富の差は極めて激しい
でもそこにあるのは笑顔なんだ

タイでもバンコクやプーケットではなく、チェンマイなどラオスに近い北の地方は温厚な人が多いらしいからそれも関係あるかもしれない
勿論断片的にしかみていないし、わずかな間日本を離れ

単純に贅沢をしたくてここに泊まってるわけじゃない
一泊3000円で小綺麗で便利なホテルはいくらでもあるが、おいらと相方がここを選ぶには理由がある
まずセキュリティー(と言ってもタイはある意味日本より治安が良い)
そしてホテル内あらゆる所に置かれ自由に飲めるミネラルウォーター(タイの人も生水は飲まずにミネラルウォーターか湯冷まし)おいら達日に一人3リッター以上飲む
市内への無料での送り迎え
24時間無料バギーサービス
自由に過ごせる快適無比な2つのプール
無料の自転車に、ヨガ、マッスルトレーニング、ストレッチ、キックボクシング等々全てを個人的に教えてもくれる・・・一ヶ月でも足らない程の無料のアクティビティー
更に毎朝の食事を含めた圧倒的サービス

それらを考えると結局は安い

そしてなによりも広大な敷地

これがおいら達の居るヴィラのテラスからの眺め
中央少し左に三重塔のように微かに見えるのがフロント
こんな所で過ごせるなんて本当に幸せだよ

その広大な敷地内に田んぼや畑がありお百姓が居ること、どういう契約になっているんだろうか、彼らは従業員でもなく本当の百姓である
このリゾートの中は田んぼだらけ、というか元々農地に建てたんだと思う
ここで彼らが作って採れるオーガニックの米や野菜をホテルで食べているわけだ










それが最高のお気に入りだし贅沢だと思う

数日前も牛に会いに行こうよってことで相方とリゾートの奥地のライスフィールドの中を散歩

とにかくここは広い!

更にこの奥へ・・・

おいらが歩けないようなところまで入り込んじゃった

動けなくなったおいらに気づいた百姓のおじさん
飛んできてくれ手をかしてくれた

歯も抜け落ち、それはそれは粗末で汚い服を着てる
またある日の夕暮れ、何処からともなく笛の音

ふと見ると遠くに奴が!牛(矢印、右は案山子)だ~
あいにく携帯しか持って無くこの写真
奴は朝になるとヴィラの前を歩いて出勤、田んぼに居る

よく見るとお百姓が笛を牛に聴かせ、奴は横で尻尾を振りながら餌を食べてる

近づこうとしたがまた細い道なので断念
遠くから会釈をすると、笛を吹くのを止めて手を合わせてくれた
日本はここ50年たまたま上手く儲けてきたわけだよ
更に100年前は鎖国、その前は刀振り回して斬り合ってたりしてたわけだ
元々米を作ってゆっくり暮らしていたんだよ

「また負け戦だったな」
「勝ったのは俺達ではなく百姓達だ」
ラストシーンで島田 勘兵衛(志村喬)が言った
王様を愛し

そう思った