大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

法に支配されず、法を支配せよ

2015年02月06日 | 労働者福祉
昔は人治主義社会で富や力を持った権力者が社会を支配していました。
良い権力者が治めれば人々は幸せですが、悪しき権力者に変われば最悪です。
近代になって法律が支配する法治主義社会になりましたが、法治国家になってもいいことばかりではありません。
法律を定めるのは人間ですから、誰かの意思でつくられていくことには変わりありませんので、悪しき意思でつくられていれば悪い法律に支配されてしまいます。

もちろん働く人たちや消費者のために役立つ法律もあります。
しかしその法律を知らなければ意味がありませんし、悪しき者たちは相手の無知を幸いにあの手この手で攻めてきます。
昨日は県司法書士会主催の「消費問題研修会」に参加してみました。
テーマは「特商法の諸論点」です。
特商法とは「特定商取引法」で、旧・訪問販売法です。
具体的事例研究が3つ出ました。

ひとつめは、訪問してきた業者に屋根の修繕工事を頼んだが、どうも怪しいのでやめたい。
工事は始まっていないが、クーリング期間を何日間か過ぎてしまっている。

二つ目は、インターネットで本を買ったが、間違えて1冊のところを11冊注文して、本が届いてから気がついた。
すぐに業者に返品を申し入れたが、拒否された。
業者からは「注文時に返信メールで、注文内容を送ってあるから、仮に本を返却されても返金できない」と言われている。

三つ目のケースは、雑誌の広告に出ていた無料電話占いに電話したら、鑑定士がいなかったのでひとまず悩み事を伝えて電話を切った。
後日、鑑定士から電話があり丁寧に相談に乗ってもらっているうちに、「水子の霊が取り付いている」と言われ、除霊を勧められた。
80万円かかると言われたが、良くなるなら100万でもいいと思い、80万円を振り込んだ。
何日かしておかしいと思い電話してみたが、どうも納得できない。

どのケースも常識的に考えると、どうもおかしいと感じます。
しかしクーリングオフ期間を過ぎていたり、ちゃんとした契約書も交わしているからと諦めてしまいそうなケースでもあります。
研修会では「特商法」や「民法」を駆使して、これらのケースの対応法を学びました。

労働法でも同様です。
法律もどんどんと変化していきます。
私たちは真剣に法治主義国家に生きていることを考えましょう。
悪しき者が政治を握れば悪しき法律が生まれます。
良き者が政治を握れば良き法律が生まれます。
悪しき者と良き者とはどういうことでしょうか?
どうも良き者たちが弱くなりすぎてはいないでしょうか?
労働組合運動と協同組合運動の健全なる発展に力を注ぐことが早道かもしれません。