大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

ブラックホーク・ダウン

2014年09月24日 | 映画
米軍がイラクに続きシリア領内の「イスラム国」に対して空爆に踏み切った。
国とはいっても正式な領土もない熱狂的信者集団「イスラム国」である。
砂粒のように点在する人間の掃討など果たしてできるのだろうか?
オバマ大統領はこの闘いが長期化するとの見解を示しているが、闘いの結末がほんとうに心配だ。
「イスラム国」の手により米人記者が処刑されるシーンなどを見て、ある映画を思い出した。
「ブラックホーク・ダウン」というソマリア内戦を描いた映画だ。
この映画は事実にもとづいて作られている。

1991年、内戦が激化したソマリアは国連に対してPKO部隊の派遣を要請した。
翌年国連は米軍を中心とする多国籍軍を派遣。
これに対して反政府軍は国連軍に対して宣戦を布告する。
米軍は反政府軍側幹部拘束を目的とした作戦を展開するが、最新鋭ヘリ「ブラックホーク」2機を撃墜される。

パイロット救出に向かった特殊部隊と民兵の壮絶な市街戦が映画の見所でもあるが、この闘いで米兵18人が死亡し73人が負傷した。
殺害された米兵の遺体を引き回す映像がニュースで流され、アメリカはソマリアからの撤退を余儀なくされる。
主軸を失った国連軍も1995年には全て撤収することとなり、ソマリア内戦は泥沼化していく。
結局、正式な政府が発足したのは2012年のことであった。

この映画を見ると戦争の恐ろしさとともに間近に人の死を感ずる。
いつの時代でも翻弄されるのは罪のない人々ばかりである。
それを思うと、どちらに正義があろうが無かろうが、そんなことはどうでもいいように思えてくる。
人の心の中に潜む何者かの正体を知りたい。
その悪魔はどこから生まれてくるのだろうか?