大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

お金は人をイヤなやつにする?

2014年09月19日 | 日々徒然
アメリカの社会心理学者ポール・ピフ氏は「格差が広がると社会にどんな悪影響があるか」という研究をしています。
そのポール氏の講演が「スーパープレゼンテーション」で放送されていました。
テーマは「お金は人をイヤなやつにする?」です。

さまざまな実験結果をもとに彼はこう結論づけました。
「人は裕福になるにつれ、思いやりが低下するということ。
そして権利意識が強くなり、利己的な考えが強くなる」
そしてその利己的な考えが社会に何をもたらすか、さらにはそれとどう向き合うべきかを提案しています。

お金持ちと貧しい人、どちらのほうが他人を助けることに積極的でしょうか。
彼らが行ったいくつかの社会実験を紹介しています。

実験室に裕福な人々と貧しい人々を集め、皆に10ドルずつ渡しました。
自分のものにしてもいいし、一部を寄付してもいいとしましたが、寄付する相手は赤の他人が条件です。
結果は、年収2万5千ドル程度の人々は、年収15~20万ドルの金持ちより44%多く寄付しました。

賞金付きのゲームでズルをする確率を調べました。
事前にゲーム機を操作して12を超えるスコアは出ないようにセットしてあります。
それは被験者には知らされておりません。
結果は裕福な人ほどズルして高得点を出そうとしました。
ズルする確率は貧しい人の3~4倍でした。

車による実験も行いました。
車種によって違反する率に違いがあるか調べたのです。
カリフォルニアでは横断歩道を渡ろうとしている人がいれば止まらないと違反です。
実験では横断歩道の端に人を立たせて、数日間何百台もの車を調査しました。
結果は高級車に乗っている人ほど交通違反をしがちで、最も安いタイプの車は違反ゼロ。
一方、最も高いタイプの車は50%近くが違反していました。

この現実をみなさんはどう受け止めるでしょうか?
このままでいいとは思いませんね。
彼はほんのちょっとした心理的介入で、思いやりを取り戻せるといいます。
たとえば協力することの良さや、集団の良さを思い出させることだとしています。
こんな実験もしました。
被験者に46秒の映像を見せたあと、思いやりが生まれたかを調査しました。
結果は裕福な人も貧しい人も、同じくらい赤の他人に親切にしました。
見せた46秒間の映像の内容は「子どもの貧困」でした。

気づけば人々は動き出します。
自分の特権、自分のお金を使って、格差を減らそうと活動を始めます。
そんな動きが私たちの周りでも起こりつつあります。