大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

マクロ経済スライド

2014年09月03日 | 労働者福祉
自分自身の勉強を兼ねて、四苦八苦の末に「Workers Library」へ「厚生年金保険法」のセミナー資料をアップしました。
できるだけわかりやすくするためにパワポ資料としましたから、ぜひ開いてご覧下さい。
そもそも公的年金の仕組みや考え方はどうなのかが理解できないと迷路に入ってしまいます。
厚生年金加入者である私たちも、国民年金の加入者であることから学び直しました。

年金のことを調べているうちに「マクロ経済スライド」という単語に行き当りました。
消費税増税と異次元金融緩和のおかげで(?)、デフレから脱却し、6月の消費者物価上昇率は3.6%を記録しました。
物価が上昇するとしわ寄せは弱い者にいきます。
物価が上昇すると預金金利も上がるはずですが、1年定期でも金利は0.025%で一向に動く気配はありません。
年金生活者は年金支給額は引き下げられるし、虎の子の貯金はますます目減りしていきます。
それでも現在はまだ貯蓄があってなんとかなるでしょうが、年金抑制策が現行制度のなかに組み込まれてありますから、貯蓄が底を着き始めると心配です。

2004年までは賃金や物価などの伸びに応じて年金額を変更してきました。
たとえば物価が4%上昇したら、年金も4%上昇するという具合です。
これを「物価スライド」と呼んでいましたが、これに加えて「マクロ経済スライド」が加えられたのです。
これまで発動されてこなかったため、私も知りませんでした。
簡単に言うと、これからの日本は労働人口が減少し年金受給者が増加していく「人口減少社会」に突入するから、それに対応するため「マクロ経済スライド」を導入したというものです。
具体的には「65歳からの平均余命伸び率0.3%」と「65歳未満の労働力人口の減少率0.6%」を合わせた「マクロ経済スライド0.9%」を年金支給額に反映させるというものです。
すなわち物価上昇が4%ならば「4%-0.9%」の3.1%を年金改定額にするということです。
とりあえず2023年までは0.9%でその後は再計算するそうですが、おそらく上がる一方でしょう。
今は物価上昇率が0.9%以下であれば発動しない仕組みですが、マイナス物価であっても発動させるべきだという議論もされている模様です。

パワポ資料の最後にこうまとめておきました。
「健康で生きがいを持って一生を送れることが最高の生き方です。
そのためには将来に備えての生活設計が必要です。
総務省家計調査(2013年度)によると、現在の年金生活者の平均的な生活費は、単身者で15万円強、夫婦世帯で27万円強でした。
国民年金の給付額平均が6万6千円、厚生年金の給付額平均が16万5千円ですから、不足分は貯蓄の取り崩しでまかなうことになります。
厚生年金給付額は個人によって異なりますから、金融資産形成を各人で設計する必要があります…」

給付額は確実に下がりますので、若いうちから意識しておくことが大切です。。