大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

欧州の独立騒動

2014年09月12日 | 経済
ウクライナ東部の親ロシア派がほぼ独立を確定させた。
冷戦崩壊後の枠組みが動き始めた。

英国でもスコットランドの独立運動が高まり18日の住民投票の結果待ちである。
スペインでもカタロニア自治州の独立をめぐって住民投票の動きが出ている。
ウクライナもそうであるように限定した地方のみで住民投票をすると、全体の国民投票とは異なる結果が出てくる。
それは民主的であるのかそうではないのか。

日本でも、たとえば焼却場などの施設をめぐり反対運動が起きる。
焼却場はある意味わからないでもないが、最近では高校や消防署でも反対運動が起きることがある。
高校ができると不良学生がいるから困る、消防署ができると消防車や救急車の出動時にうるさくて困る、という理由からだという。
それらの建設をめぐって住民投票をすればどうなるか?
建設地区だけなら反対多数であり、市全体なら賛成多数となるであろう。
国家の独立と比べてスケールの小さな話だが、欧州の独立運動にも一部似たようなところがある。

欧州の場合は民族の独立志向と合わせ、比較的豊かな地方が独立をしたいという住民投票でもある。
東ウクライナは鉄鉱石や石炭が豊富な重化学工業地帯を持ち、独立すればチェルノブイリというお荷物からも逃れられる。
スコットランドは北海油田を有し、スペインのカタロニア自治州は全体の2割の経済規模を持つ地方だ。

こういった動きが活発化してきた背景にはリーマンショックを契機とした経済不況がある。
格差の拡大は国家の分裂をも招いてしまう。
資本主義も民主主義もほんとうに難しい。
だから、そこには正しい思想が欠かせない。
困っている人、弱い人を助けてあげるという、簡単な思想である。
それがなくなったら資本主義も民主主義も毒にしかならないだろう。