大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

切ない“おすそわけ”

2014年07月20日 | 日記
我が家の食卓に旬のご馳走が並んでいました。
私の大好きなトウモロコシは大鍋いっぱい茹でてあります。
カボチャも山盛り、食後のスイカも食べきれないほどあります。
これすべて近所の農家からの頂き物です。

近頃この周りは農作物が動物たちの被害にあって大変です。
電磁柵を張っても、ネットをかけても、ハウスで作ろうとも、あの手この手で動物たちの餌になってしまいます。
どうせやられるならと早いうちに収穫しますが、残念ながら売り物にはなりません。
その“おすそわけ”が我が家の食卓を賑わすわけです。
なにやら申し訳なくいただきましたが、なぜこんなになってしまったんでしょうか?

昔は動物たちが山から下りてくることなど滅多にありませんでした。
今と違って山にも人の手が入っており、豊かな自然がいっぱいありました。
豊かな山では動物たちの餌に不自由はありません。
今の山は荒れ放題で、子ども時代に隠れ家などを作って遊んだ近所の山にはもう入れません。
林には陽が射さないので、山が次々と死んでいきます。

この地域に被害が多い理由はもうひとつあります。
それはこの地域が「禁猟区」のためです。
動物たちは利口です。
狩られたら大変ですから、この「禁猟区」に逃げこんで来ます。
小学生の時に友だちが山で遊んでいて、動物に間違えられて撃たれた事件がありました。
「禁猟区」になったことで安心ですが、それは人間だけではないんですね。

解決策は難しい。
50年かけて壊した自然を回復させるしか無いと思いますが、さて誰がやるのか?
荒れた山であっても、持ち主がいます。
やはり行政の力を借りないとなりませんが、行政は私権には関われないと逃げます。
本当だとしても、何らかの形で山を生き返らせないと、そのうちに肝心の人が住めなくなってしまいます。
荒れていく故郷を見るのは寂しいですからなんとかしたいものです。