大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

協同組合間協同の事業

2014年07月15日 | 労働者福祉
少々古い話になりますが、私が連合静岡事務局長に就任して最初に手がけた仕事は、連合静岡の活動を「3つの領域」に特化させたことでした。
それは私自身の労働運動を通じて感じてきた仕事の重複感を少しでも解消させるためです。

30歳から労組専従の道に入り、単組活動は当然のことながら、いくつもの上部組織の活動に関わってきました。
連合発足時に地協準備委員会の事務局長から関わり、地協事務局長、地協議長、連合静岡副会長と歩んできました。
また労福協では地区労福協副会長、地区労福協会長、県労福協幹事を経験してきました。
産別組織でも幹事、副委員長、委員長、中央執行委員を経験し、それ以外でも友愛会の役員なども経験し、ひとりで何役もこなさなければならない日々が続きました。
その時につくづく感じたことがそれぞれの団体・組織の役割特化の必要性です。

それぞれの団体・組織は良かれと思ってそれぞれがんばりますが、下にいる受け手は1人ですから堪りません。
時には同じような指令が短期間のうちに複数の中央から下りてくることがありました。
そういう時には中央の指令であっても「3つの領域」に照らし合わせて判断をさせていただきました。
ずいぶん扱いにくい奴だと思われたでしょうが、反対に必要なことであると判断したものは誰に言われずとも積極的に展開してきたつもりです。
おそらく今思えば、中央からの指令を現場(受け手側ニーズ)に合わせて工夫した自己流「協同組合間協同」の事業だったと今思います。

2008年に手がけた「NPO法人LWサポート」は、連合静岡・県労福協・地域活性化支援センター・経営者協会の協同事業でした。
2010年10月から開始した「Workers Library」は、連合静岡・県労福協・労働金庫・全労済・福祉基金の協同事業でした。
その前後からブロックごとに「5団体会議(連合静岡・県労福協・労働金庫・全労済・LSC)」が定例開催されるようになりました。

2012年12月から取り組んだ「労働者自主福祉運動シンポジウム」を契機としてスタートさせた「語り部1000人PJ」ではさらに協同の輪を県生協連まで広げました。
そしてこの5月から設立させた「フードバンクふじのくに」はさらに大きく協同の輪を広げた事業のひとつです。

社会は「協同組合間協同」の輪が広がることを求めています。
しかしその場限りの単発事業では意味がありませんし、事業というからには循環サイクルも考慮しなくてはなりません。
種を蒔き、水をやり、雑草を抜き、大事に大事に育てて、ようやく収穫の時期がやってきます。
立ち上げる苦労も並大抵ではありませんが、継続する苦労、育てる苦労はそれ以上のものがあります。
でもどんなに苦労しても静岡モデルとして取り組む価値は十分にあります。
ぜひみなさんの知恵と力をお貸しください。
きっとその知恵と力は事業団体発展にもつながると思います。