大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

存在理由

2014年02月14日 | 労働者福祉
世界中で格差が拡大し「貧困問題」が急激にクローズアップしています。
1月最後の火曜日に行われた米両院議会の一般教書演説でも、オバマ大統領は「貧困との戦い」を強調していました。
この一般教書演説は米国の現状についての大統領見解と主要な政治課題を述べる重要な演説です。
11月4日には中間選挙がありますので、この問題について確かな成果をあげないと民主党オバマ政権は大きな打撃を受けます。

我が国においても「貧困問題」は深刻です。
そんななか平成27年4月から、弱い個人同士が助け合うという新たな地域福祉の姿を目指す「生活困窮者自立支援法」が施行されます。
この法律についての是非はさまざまですが、それ以外にも今日的な生活課題は私たちの回りに山積しています。
失業・生活再建、ひきこもり、子育て不安、孤立(孤独死)の防止、買い物困難者などの生活課題、虐待予防対策、障がい者の地域生活支援、認知症高齢者の生活支援…などなど。
これらの諸問題に対して私たちはどう向き合うべきでしょうか?
それは行政のやること、それは福祉団体がやること、と突き放していいものなのでしょうか?

私たちの組織は二つのビジョン・指導書を持っています。
ひとつは中央労福協の掲げた「労福協の理念と2020年ビジョン」です。
そしてもうひとつは連合の掲げた「連合評価委員会 最終報告」です。
今、社会が私たちの組織に求めていることは何でしょうか?
二つのビジョン・指導書は、それを明確に示しています。

どんな組織にも存在理由がありますが、組織は動物とは違い種の永続が目的ではありません。
組織は社会の機関であるからその存在が許されているわけで、だから組織は社会に対する貢献を忘れると崩壊をはじめるのが自然の摂理です。
このことが理解されずに内向きの行動から抜け出せなかったならば、組織は腐りやがて死に至ります。
しかし現実問題、組織が成長し大きくなると、組織に働く者の関心、努力、能力は組織の中のことで占領され、本来の任務と目的を忘れていきます。

まずは私たちのいる場所を確認し、そこから外の世界を見てみましょう。

私たちの運動は本当に必要な人たちに対して共助の輪を広げているでしょうか。
共助の輪を広げることが出来ないとしたら、社会の改革は出来ません。
政治的アプローチが失敗した今、改革は私たちの手の中にしかないような気がします。