大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

社会のすがた

2014年02月07日 | 労働者福祉
連合静岡時代は労働相談などを通じて「塀の外」の状況をこの目で見、この耳で聞き、仲間とともにユニオンやメイトの活動を展開してきました。
まだまだ十分ではありませんでしたが、そのことを通じて「塀の中」の組合員に労働組合のありがたさについて説いてきたつもりです。

昨年10月に連合静岡会長を退任し、県労福協活動を専任することとなり、ある意味フットワークよく動けるようになりました。
最近特に思うところは、痛んだ社会の現実です。
県労福協も今年50周年を迎えますが、その創業時よりも厳しい時代かもしれません。
昔はみんな貧乏でみんなでそれを乗り越えていこうという“連帯感”がありました。
しかし今は労働者が分断され格差が開いて“連帯の輪”が崩れています。

現役世代では見えてこないその痛んだ社会の姿を、現役のみなさんに伝えていくのが私の使命のひとつかもしれません。
その実態を知ることも“連帯の輪”の再生への動機になるとも考えます。
ひょっとしたら、それはボランティア活動への入り口かもしれません。

福祉分野が私たちのテリトリーですが、福祉といっても非常に幅広なテーマです。
そこで静岡市の生活支援相談窓口を訪問してみました。
その時の様子はブログ「無関心」に書きましたが、帰りに「新政会」(連合推薦議員会派)に寄って福祉関係の資料をいただいてきました。
そこにまとめられている相談事業の実態から現在の痛んだ社会を覗いてみようと考えたのです。

どこの市町にも民生委員さんがおります。
この民生委員も成り手がなくて苦労しているボランティアのひとつですが、その役割はまさに地域住民の生活状況の把握と、困った人を関係救済機関へ繋ぐことです。
平成24年度の相談支援件数の合計は31,302件。
内容別区分の第1位は「生活費」、第2位は「在宅福祉」、第3位は「健康・保健医療」でした。
別角度から見た第1位は「高齢者に関すること」、第2位は「子どもに関すること」、第3位は「障がい者に関すること」でした。
クロスでみると「高齢者の生活費」がトップです。

そこで「高齢者福祉」を覗いてみました。
静岡市の高齢化率(65歳以上)の推移です。
平成20年度:22.9%→21年度:23.8%→22年度:24.4%→23年度:24.6%→24年度:25.0%→25年度:25.9%
加速度的に高齢化が進んでいます。
このなかで無年金者がどの程度いるのか、残念ながらそのデーターはありませんでしたが、推測するに無年金高齢者の存在は馬鹿にならない数字だと思います。
今現在「ワーキングプア」と呼ばれる労働者の多くは年金未払い者です。
30年後どうなっているでしょうか。

生活保護の開始理由も見てみました。
開始理由の第1位は「貯金・仕送りの減少・喪失」が46%の過半数。
これには当然老齢による収入減少が含まれます。
第2位は「疾病等」、第3位は「失業」でした。

さてこれをご覧になってみなさんはどのように感ずるでしょうか?