大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

春闘に世界が注目

2014年02月10日 | 経済
世界の経済は密接に結びついています。
どこかの国で起こった混乱があっという間に世界中に広まってしまいます。

アルゼンチンペソの通貨下落もそのひとつです。
為替上ではその国の信用が失われると、通貨の価値が下落していきます。
通貨の下落で輸入コストは高くなり、国内でインフレを引き起こします。
そのインフレを抑えるために、政府は防衛策として外貨を売って自国通貨を買うという為替介入にはいります。
しかし手持ちの外貨が無くなるとそうはいかず、最後にはIMFなどの国際機関へSOSを求めますが、その時には強権的な外圧が働き改革の嵐が吹き荒れます。

この急激な通貨下落が新興国に飛び火していくと世界的な不況の火種になりかねません。

世界の基軸通貨USドルをもつ米国の「連邦債務上限問題」も大きなリスクのひとつです。
2月7日危機はとりあえず債務上限を突破することなく資金をやりくりする特別措置で乗り切ったようですが、2月27日になると米政府の手元資金がいよいよ底を打つようです。
共和党は社会保障の歳出カットを実行しない限り、債務上限に応じない姿勢ですから、政府もいよいよ追い込まれてしまいました。

そんな情勢下で日本の賃上げに大きな期待がかけられています。
しかしそこに過度な期待はできないかもと、米政策当局者のこんな観測が日経「景気指標」に掲げられていました。

『…「行き過ぎた財政再建はいかがか」。
米政策当局者の一部が日本により柔軟な財政運営を促す「想定外」の動きが出ているという。
国際通貨基金(IMF)内でも米側が日本に短期的に歳出を増やすよう求める動きがくすぶる。
…ある関係者は「余計なお世話だ」と憤慨しつつも、アベノミクスでも消えない「成長への疑い」が一因とみる。
政府は昨年末の経済見通しで14年度の実質経済成長率を1.4%と予想した。
この見通しのカギを握るのは賃金増だ。
…通貨当局者の頭をよぎるのは1997年の苦い記憶だ。
同年春の5%への消費税率上げを追いかけるように未曾有のアジア通貨危機が進行。
橋本政権の財政構造改革による急激な緊縮路線も追い打ちをかけ日本は98年にマイナス成長に転落した。
…日本は数年内に政府債務が家計などの貯蓄額を上回るとの試算もあり国債の国内消化もカベにあたる。
円安傾向でもなぜか輸出増のアクセルが利かず経常赤字が続く。
…こうしたリスクを承知で日本に歳出プレッシャーをかけているとすれば、米が世界経済の現状をそれほど危ういとみている裏返しともいえる。』


今年は支払い能力があるとかないとかのミクロ議論ではなく、日本の労使トップが世界経済をテーマにして真正面から論陣を張って交渉するようなマクロな春闘に仕上げて欲しいものです。