‘『悪の花』イ・ジュンギ、‘血・汗・涙のフィルモグラフィ、俳優としての欲’
イ・ジュンギの挑戦は今回も成功だった。
最近放送終了したtvNドラマ『悪の花』(脚本ユ・ジョンヒ、演出キム・チョルギュ)は 愛までも演じた男と
彼の実態を疑い始めた妻の‘高密度感性追跡劇’だ。序盤3%(ニールセンコリア、全国有料世帯基準)台の視聴率でスタートし
最終回は番組最高記録の5.7%で締めくくって有終の美を飾った。
難しい作品だっただけにイ・ジュンギは放送終了後 複雑な感情を感じたという。
彼は「作品をやりきったという安堵感、序盤に感じた重量感を無事に完結に昇華させたという達成感、
さらに現場を共にした方々を送ったという空腹感。万感の思いが交錯する。
本当に寂しくて多くのことに感謝した今だ」という所感を伝えた。
イ・ジュンギは劇中‘ト・ヒョンス’という正体を隠して生きていく‘ペク・ヒソン’を演じた。
連続殺人犯の父親のせいでサイコパス気質を受け継いだト・ヒョンスだが
妻チャ・ジウォン(ムン・チェウォン)に対する気持ちは誰より深かった。
感情を感じられないサイコパスであると同時に激しい恋愛も見せなければならなかったために決して簡単な役ではなかった。
それだけに『悪の花』のト・ヒョンスはイ・ジュンギという俳優のフィルモグラフィに意味のある作品と役割として残ることになった。
「ペク・ヒソンとト・ヒョンスを同時に演じながら様々な人物との関係で見られるリアクションにかなりの精魂を込めました。
感情を感じられないヒョンスなので 小さな表現からリアクションひとつひとつが
シーン自体に大きな力と説得力を与えるだろうと思ったからです。
監督、作家をはじめカメラ監督、俳優たちとずっと考えを交わして完成しました。
まかり間違えばとても明らかだったり単調な表現になって
ト・ヒョンスという人物が単に感情のないサイコパスとして見えたので 細かな部分に集中しました」
もともとアクションに強いイ・ジュンギだが 特に今回の『悪の花』は難度の高いアクションが多かった。
イ・ジュンギは「体力的にキツイ部分はなかった」と相変わらずの体力をアピールした。
「ふだん運動が好きなので思ったより体力的にキツイ部分はなかったです。
キツイとか疲れるよりは‘私が動線を作ってアクションをしてこそ
視聴者の皆さんがこのシーンで来る感情と感じを落ち着いて感じられるだろうか’という悩みが本当に多かったです。
この作品は特に私が好きなアクションを10分の1程度に減らそうと念押ししました。
派手だったり荒っぽいアクションよりは感情により集中しましたね。
凄まじく追い出されるシーンの場合でも代役なしで体をはって視聴者の皆さんがより没入できるよう努力しました」
2005年 映画『王の男』でスターダムに上がったイ・ジュンギは 人気とは別に多様な挑戦と役に臨んできて
俳優としての立場を強固にした。厚いファン層もこのようなイ・ジュンギの努力のおかげでいっそう強固になった。
今回の『悪の花』に対するファンの反応も熱かった。
「『悪の花』は恋愛的な特性が濃く これまでよりいっそう多様な階層のファンが多くなって不思議でした。
スタートからグローバルなファンの方たちがソウル全域で様々な広告を進めてくれたし、
放送中にはリアルタイムでジウォンとヒョンスの感情に一緒に痛みを感じたり愛してくれて深い感動を受けました。
特に私のこうした役柄を好きになってくれるファンの方が多いが、私が楽しくて愉快な話より 悲しみ、痛み、孤独などの
感情がにじみ出る作品が好きです。私のフィルモグラフィが不本意に血・汗・涙で満たされましたよ(笑)
まだ俳優として難しく深い感情ラインを表現したいという欲が深いようです」
2017年に放送されたtvN『クリミナル・マインド』以後ふたたび再会したムン・チェウォンとの呼吸も好評を受けた。
「ムン・チェウォンさんとは『悪の花』で出会う前にも何度か会ってそれぞれ悩んでいる作品の話や人生の話を交わしました。
『悪の花』の出演決定もチェウォンさんが‘ジュンギさんが十分魅力的に作り出せるキャラクター’と言ってくれて自信が持てたんです。
ムン・チェウォンさんは現場でかなり集中力が高くて繊細です。お互いに演技を合わせていく時
私が感情的な部分でより刺激を受けて助けになったりもしました。チャ・ジウォンがいたからト・ヒョンスもより切実でしたね」
最後にイ・ジュンギは『悪の花』が格別な意味として残ったことを伝えて 今後の作品も期待するよう頼んだ。
「責任感から悩みが多かった作品だが こうしてきっちり完走したことだけでもとてもありがたいです。
実際私は人生において成長しうまくいくことより 夢見ることと愛する人と一緒にいるという充足、幸せがいっそう重要だと感じます。
それが私の人生の意味であり重要な価値なんです。それだけに『悪の花』は私にとって良い滋養分になったし
人間イ・ジュンギをいっそう堅固で豊かにしてくれたと思います。さらに誠実に体と心を準備して
できるだけ早いうちに次の作品を迎えられるようにします」