きょう、6月1日は気象記念日。
1884年(明治17年)我が国の天気予報第1号が発表されたという。
全国一般 風向き定まり無し 天気変わり易し 雨天勝ち
今日からすれば、実に大雑把な天気予報だった。
原文 Variable winds, changeable, some rain. の和訳である。
文明開化で明治新政府は、気象もお抱え外国人の指導を仰いだ。
当時の日本人は、気象学に精通する者が皆無だから止むを得ない。
私は、むかし初めて就職した職場で、気象観測をやらされた経験がある。
気象には全くの素人だったから、職場の先輩の指導やテキストの独学で当たった。
3時間ごとに、風向、風速、温度、湿度、雲の型、雲量、雨量、気圧などなど。
そして、観測データを数字に置き換え電文にして気象台へ送る仕事だった。
丁稚、見習いのような仕事の始まりだったから、観測ミスも多かった。
特に、気圧と雨量に関してである。
当時の気圧計は、水銀の膨張を針先の触れる位置で測るのだが、
強い低気圧時では、水銀の膨張が激しく上下に変動し、針先の位置を決めかね計測に苦労した。
単位はヘクトパスカルではなくミリバールだった。
台風襲来時には、気象台からミリバールの数値について照会が来たりした。
雨量に関しても、いい加減な計測をした覚えがある。
当時の雨量計は、手作業でビンに溜まった雨水を計測フラスコへ移して測るのだが、
うっかり雨水を地面へこぼしたりし、こぼれた分量を察して適当に加算したりした。
今の気象観測は、ほぼ自動化されているから、このような計測ミスは生じない。
気象記念日と聞いて、自分の若い頃の反省を込めて書いた。
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