九品人の落書帖

写真をまじえ、身の回りで見聞きしたことを、つれづれなるままに!

風向き定まり無し

2022年06月01日 | 日記

 きょう、6月1日は気象記念日。

 1884年(明治17年)我が国の天気予報第1号が発表されたという。

 全国一般 風向き定まり無し 天気変わり易し 雨天勝ち

 今日からすれば、実に大雑把な天気予報だった。

                    

 原文 Variable  winds,  changeable,  some  rain. の和訳である。

 文明開化で明治新政府は、気象もお抱え外国人の指導を仰いだ。

 当時の日本人は、気象学に精通する者が皆無だから止むを得ない。

                    

 私は、むかし初めて就職した職場で、気象観測をやらされた経験がある。

 気象には全くの素人だったから、職場の先輩の指導やテキストの独学で当たった。

 3時間ごとに、風向、風速、温度、湿度、雲の型、雲量、雨量、気圧などなど。

 そして、観測データを数字に置き換え電文にして気象台へ送る仕事だった。

                    

 丁稚、見習いのような仕事の始まりだったから、観測ミスも多かった。

 特に、気圧と雨量に関してである。

 当時の気圧計は、水銀の膨張を針先の触れる位置で測るのだが、

 強い低気圧時では、水銀の膨張が激しく上下に変動し、針先の位置を決めかね計測に苦労した。

 単位はヘクトパスカルではなくミリバールだった。

 台風襲来時には、気象台からミリバールの数値について照会が来たりした。

                    

 雨量に関しても、いい加減な計測をした覚えがある。

 当時の雨量計は、手作業でビンに溜まった雨水を計測フラスコへ移して測るのだが、

 うっかり雨水を地面へこぼしたりし、こぼれた分量を察して適当に加算したりした。

                    

 今の気象観測は、ほぼ自動化されているから、このような計測ミスは生じない。

 気象記念日と聞いて、自分の若い頃の反省を込めて書いた。

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