家に閉じ籠って退屈しのぎに古い手帳の整理をしている。
中身を覘いてみることもあり、思いがけない発見もある。
どこで知ったか覚えはないが、面白い話しをメモしていた。
以下、そのメモ内容から。
江戸時代に書かれた桃太郎の本によると、
おばあさんが川から桃を拾ってきたところまでは、今と同じ。そのあとが違う。
おばあさんが桃を食べると、急に若返った。
山から帰ってきたおじいさんは、それを見てびっくり。
自分も桃を食べると、若返った。
こうして若返った二人に、赤ちゃんが生まれた。
つまりは、愛の結晶の物語だったのである。
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明治になり、国定教科書に桃太郎の話を載せることになった。
が、このままの桃太郎の話しでは具合が悪い。
そこで、桃を食べたのではなく、いきなり桃から生まれたことにした。
明治12年の教科書では『ももは二つにわれて、なかからおとこの子がうまれました』と。
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真偽の方は確かめようがないが、とにかくメモっているから、
見たか聞いたかしている筈である。