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どんぐり
毎年秋の終わり山に入るとどんぐりが地面いっぱい落ちている。これがすべて芽を出すととんでもないことになるだろうと思われるほどの量である。
しかし、翌年春先に見るとほとんど見当たらない。たまに木陰で芽を出しているのを見かけるが、あの大量のどんぐりはどうなったのたろうか。どこの山でも同じことである。
昨年、山でどんぐりを百個ほど拾ってきて植えてみた。小学生の理科の実験のようだが、発芽率はどのくらいなのか、長年の疑問解明になればと思った。あわよく芽を出せば山に移植すれは、緑化、地球温暖化防止対策にいくらかでも寄与できるなどと健気な心持ちもあった。
ポットに植えて庭先に置いていたどんぐりが、先日見ると柔らかそうな芽を出していた。朝顔のように皮をかぶった胚の部分が地上に出て開くのではなく、地中にある肺の部分から子葉が伸びている。掘り出してみると地下にはすでに立派な長い根が伸びている。見ると他にも小さな芽が出ている。発芽率は結構いいようである。
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とすると、山に落ちているどんぐりは動物や虫に食べられたりしたのではないだろうか。そういえば種を蒔くときに水に浸し浮いているものは取り除いて捨てていた。浮くものは小さな穴が開いており、すでに虫が入っていたのだろう。
ポットの土から芽を出している百本近くのどんぐりを見て、これがすべて大きくなったらどうなるのだろうか。すべてを山に植えるのは大変な作業である。だが、せっかく芽を出したどんぐりを今 処分する気はない。
まあ、それはそのときのこと。とりあえず植替えができる大きさになるまで育ててみることにした。