AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

練習するといってもね

2005年12月01日 | 日本語教育
 日本語を勉強している学生に言うのは、「使ってね」であって「練習してね」ではないのですよ。
 質問に来たり、復習の授業をしたりして、帰り際に学生はよく「練習します」といって帰るんだけど、部屋の中で何度もいってみたり、ドリル練習をしたりしても、口慣らしという以外の効果はあまり望めません。
 習った文型をとにかく使う。それも、自分の考えていること、していること、伝えたいことにあわせて。

 先日、学生と話をしていたときのことです。

T:「○○さんのうちで、タバコをすってもいいですか」
S:「はい、吸ってもいいです」
T:「○○さんのうちで、靴を脱がなければなりませんか」
S:「いいえ、脱がなければならなくない?…???」

 そうです。この学生は、尋ねられたとき、相手の言う文章と同じ文型で答えればいいと機械的に考えていたわけです。表を作って、文型の変化や肯定、疑問、否定、現在、過去などの一覧を確認する作業は自分の頭の中を整理するいい方法ですが、それに頼って、わかった気持ちになるのであれば、しないほうがいいかも。

 上の文に対する答えは、
「脱がなくてもいいです」とか、「脱いでください」が妥当ですね。「脱がなければなりません」も三角かな。シチュエーションがあるわけだから、それを常に意識して話す訓練が必要です。

 練習します、と学生が言うと、僕は必ず、使ってみてね、と答えます。

 自分が通じた、という実感を持つまではなかなか身につかないんですよ、言葉は。
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1 コメント

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失礼します (やまじゅん)
2005-12-01 20:02:52
はじめまして。

山本純と申します。

私も日本語教師でblogをやっています。

先生のブログ拝見させていただきました。

よかったら私のブログで紹介させていただき、

リンクも貼らせていただきたいのですがよろしいでしょうか。

詳しくはリンクから記事を見てください。

よろしくお願いします。



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