こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『面白くて眠れなくなる植物学』稲垣栄洋

2017-01-14 19:21:57 | 読書感想
表紙にも書かれている「木はどこまで大きくなれるか」という話も面白いのですが、トリケラトプスが衰退した理由が、急激に進化した植物にあったり、自然の中にあっては、西洋タンポポより日本タンポポの方が、植物として強かったりと、目から鱗の話がたくさん紹介されています。

一番、意外だったのは、ねこじゃらしことエノコログサが、特別な光合成の仕組みを持っていることです。
ただし、温度が低かったり、光が弱かったりすると、その仕組みを持たない植物よりも光合成の効率が劣ってしまうそうです。
細かい仕組みについては、ぜひ!この本をお読みになってください。

他にも、意外なことがいっぱいで、楽しめること請け合いです♪
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『推理は一日二時間まで』霧舎巧

2017-01-13 19:32:19 | 読書感想
都内のつぶれたカラオケボックスを居抜きで買い取ったオーナーが、個室をレンタルスペースとして貸し出したが、ネットで個室を『秘密基地』と称して募集をかけたため、偏見を持って言えばヲタクのみなさんが集まってしまった。

戦隊ヒーローもの好きの黄色さん、テレビドラマ愛好家のテレビさん、ゲームマニアの勇者さんなど、テレビさん以外は妙な格好で出入りするのもあって、オーナーの毬生美貴は、ご近所からの苦情に悩んでいる。

今日も今日とて、美貴のパソコンを勝手に使う輩を見つけようと、パソコンを防犯カメラの代用にできるソフトをインストールしてもらったが、その後も軽重はともかく次々と犯罪が起こる。

果たして、これらの犯人は?

うーん、解ってみると何てことないミステリではありますが、事件の最中には解らないんですよねえ。
ということは、何てことない、ということは無いんでしょうか?
それはともかく、美貴とヲタク連中の掛け合いが、面白くも心地いい物語でもありました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』嵯峨景子

2017-01-12 19:26:54 | 読書感想
コバルト文庫を私が一番読んでいた時代は、新井素子さんを筆頭に、大和眞也さん、久美沙織さん、氷室冴子さんを中心に読んでいました。
とはいえ、その頃の私は、星新一さんの作品を読むのに一生懸命だったので、あまり熱心な読者ではなかったと思います。

ウィングス文庫も、「特捜司法官S-A]くらいしか読んでいませんし、少女小説は読んでいない方なのかもしれません。

そんな私でも、この少女小説の変遷は面白く、「ああ!『ハイスクール・オーラバスター』は読んでいたっけ」など、無自覚さを発見したりもしました。

楽しいですよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『コンビニたそがれ堂 祝福の庭』村山早紀

2017-01-11 19:27:56 | 読書感想
今回のたそがれ堂のテーマは、発売された12月にちなんでサンタクロース。

『ガラスの靴』のつむぎは、数年前に一緒にクリスマスを祝った貧しい少女によって、一時的とはいえ、夢を叶えます。

『神様のいない家』のこずえは、病床の母親のために、漫画家の由利原さくらさんのお宅を訪問し、由利原さん自身も幸せにします。

表題作では、売れないコントのコンビが、外国人でサンタの服を着た記憶喪失のおじいさんのため、風早の街を駆け回ります。

本当に、‘‘たそがれ堂’’では欲しいものが手に入り、風早の街ではあり得ないことが起こり、心を温めてくれますよね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『図書館ホスピタル』三萩せんや

2017-01-10 19:32:43 | 読書感想
『元気があれば何でもできる』
プロレス好きだった亡き祖父を持つ、元木悦子、二十二歳の座右の銘である。

しかし、就活で百連敗を記録してしまった。
アピールポイントを、元気なところに絞ったせいだろうか?

4月を無職のまま迎えた悦子だったが、母方の叔母から、埼玉の私立図書館が元気のある子を探しているという電話があった。
その名を『しろはね図書館』と言い、元病院で、今は亡き院長がそこを図書館にするようにという遺言を残したのだという。

本も、漫画や雑誌くらいしか読んでこなかった悦子が、返本作業から始めて、先輩の図書館員に読書のレクチャーを受け、少しずつ利用者さんにもアドバイスできるようになっていきます。
トラブルもありますが、それが先輩方との交流のきっかけにもなったりして、なかなか面白いです。
中でも、一番ありえないと思っていた人の内情を知り、親しくなったりして。

今後、『しろはね図書館』と、その人間関係がどう変わっていくのかが気にかかります。
続編があると、嬉しいですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする