こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

ふたつのスピカ11

2006-12-21 00:00:00 | 未分類
柳沼行さんのコミックス『ふたつのスピカ』11巻を読みました。

今回は、中学時代の友達が家出してアスミの元にやってきます。
友達がいず、学校が楽しくないというかさね。
アスミと話しているうちに、自分自身がどうするべきか見えてきます。
そうなんですよね。
悩みの相談というのはアドヴァイスなどしなくても、結論は自分の中に見えているものなんですよね。
でも、アスミだからこそ助けになったというところは大きいと思います。

あと、船外活動について。
ロボットの方が早いけど、人間がやることの意義。
逆に、無駄に人命を失わないためのロボット。
まだまだ意味を見出すことはできませんが、今後アスミたちが見せてくれる
宇宙飛行士としての考えや行動を楽しみにしています。

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マーブル騒動記

2006-12-20 00:00:00 | 未分類
井上剛さん『マーブル騒動記』を読みました。

日本全国の黒毛和牛が言葉をしゃべれるようになり、マスコミを通じて「私たちを食べないで下さい」という
メッセージを送り始めた。
これだけ読むと、誰かのショートショートをパクったような気がしないでもないのですが、
牛が知能を持って行動し始めてからの物語です。
酪農や畜産として飼われている牛ばかりでなく、観光牧場の牛たちも牛舎の環境改善と
「牛の飼養の商品化の撤廃」を求めてストライキを行ったりします。
初めは彼らの言うことを認めて法律を作ったりもした人間たちですが、反動がきます。
さらに、思考が統一されていたはずの牛たちにも急激な変化が現れます。

人間の理想と現実、冷静でリアリストだったはずのモー太郎の悲しみ。
ある意味、牛版『アルジャーノンに花束を』かもしれません。
そこまで名作ではないかもしれませんが、雰囲気が。

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ドスコイ警備保障(明らかにネタバレ)

2006-12-19 00:00:00 | 未分類
室積光さん『ドスコイ警備保障』を読みました。

相撲廃業後の力士の就職問題に心を痛めていた南ノ峰親方は、そんな人たちの就職先として、
相撲協会の出資による警備会社を設立した。
初めはなかなか仕事が来なかった彼らも、二人組の連続強盗犯を捕まえた事で依頼が来るようになった。
さらに、世界的大スターの警備を任されたりと軌道に乗り、順風満帆に見えたのだが・・・。

相撲取りの筋肉の鍛え方やその安定感などなど、どれを取ってもガードマンとして理想的と思える説得力が
あります。
様々な障害やトラブルが起こる中、誠実に確実に仕事をこなしていく彼ら。
華やかな世界への誘いもあり、普通ならそちらに流れていきそうなものを、それは一時的なものだと察し
堅実な警備の仕事を続けていこうとする姿勢に好感が持てました。
特に、親方が警備会社を設立した深い理由も素晴らしいと思えます。
全体として、とても温かく優しい物語でした。

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いつでもこの世は大霊界!

2006-12-18 00:00:00 | 未分類
またまた森奈津子さんの昔の著作『いつでもこの世は大霊界』を読みました。

とてもこわがりやの主人公、ルン子こと木谷留美子、高校一年生。
夜もこわいので、クラブには入らないことにしていた。
しかし、ひょんなことから親友のイーダと新聞部に入ってしまう。
よりによって、初めての取材が花園学園七不思議。
解いてしまうと、秘密というのがおおげさに感じられる物事だったりする。
しかし、花園一族の長、花園ナツのひ孫が盗みをはたらいてまで隠そうとする謎とは?
さらに、不気味な新聞部副部長・百太郎せんぱいの女性恐怖症の秘密とは?

こうやってレモン文庫の森さんの著作を読んでいると、口調が独特ですよね。
当時の女子高生って、こんな感じでしたっけ?
それにしても、ルン子の怖がりぶりも「ヒーッ」って感じで某漫画家さんの漫画を思い出します。
怖がるのを楽しんでいないか?とも思います。
こちらとしても、その怖がりぶりを楽しませていただきました。

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春の魔法のおすそわけ

2006-12-17 00:00:00 | 未分類
西澤保彦さん『春の魔法のおすそわけ』を読みました。

小夜子が酔いから醒めて気がついたのは、地下鉄を人波に流されるまま改札を抜けて
地上に出たところだった。
さらに気がつくと、自分のものじゃないショルダーバックを抱えており、中には
二千万円入っていた。
嫌われ者の先輩中年作家に嫌な気分にさせられたり、身勝手な親族に腹を立てたり、
そのくせ言い返しもできない小心者の自分に苛立ったり、やけを起こしていた小夜子は、
フェンスの向こうの壕をながめていた青年に声をかけた「いくら?きみ」

思い切り散財しようとしていた小夜子なのに、遠いところに行こうとしても思い切れず、
結局、ホテルでスーパーから買ってきた惣菜とビールで飲み明かすくらい。
でも、青年・優弥くんはそれにつきあい、金を取って逃げることもせず、親身になって悩みを聞いてくれる。
そして優弥くんの方にも、悲しい事情があった。

小夜子さんは45歳ですが、彼女の悩みは誰にでも思い当たるところがあるのではないでしょうか?
小夜子さんは、優弥くんに救われたけれど、優弥くんも、小夜子さんのおかげで
助けられたのでしょうね。
みんな、様々な理由で寂しいのかな?
こういうのを不思議な巡り合わせというのでしょうね。ホント、春の魔法です。

ただねー、西澤さん。森奈津子さんの影響か、誰でもバイセクシャルにするのはやめてほしいです(^^;)

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