こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『ぴりりと可楽』吉森大祐

2020-10-19 20:24:38 | 読書感想
 
櫛職人の又五郎は、上方の芸人が奉行所の締め付けにも負けずに寄席の興行をしようとすると聞き、土地の流儀を無視していると立腹。先に江戸っ子がやらないと名折れだと、天狗連の若手で始めて大失敗。

他の土地で修業をしてこようと、流れ流れて松戸宿。
そこで出逢ったのが、謎かけの淡雪。
本人に非難されつつ物まねから始めて、自分なりの芸を探し続ける事、二年。
三笑亭可楽として、江戸で成功するまでの顛末が描かれているのがこの物語。

史実がどこまで描かれているのかは分かりませんが、趣味でしかなかったハナシの芸を様々な出会いと修業の果てに噺として結実させる、というところはもちろん、色んな町人や芸人が個性的で魅力的に描かれていて、とても面白く読めました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『甘夏とオリオン』増山実 | トップ | 『マーダーハウス』五十嵐貴久 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書感想」カテゴリの最新記事