『十二月の辞書』早瀬耕

十二月の辞書 早瀬 耕 小学館

 

南雲薫が高校一年から付き合っていた栗山さんは、とある秘密を抱えていて、それを南雲に打ち明ける事で荷物を下ろすと同時に、南雲の秘密を聴く事で相殺する事が出来た。

当時の彼女によると、高校生のときの一番嫌いな職業が、その人の天職だというのだ。
彼女は物語のない絵を描くイラストレーターだったし、南雲は教師と答えた。

そして現在、南雲は大学で研究を続けると同時に学生に教える仕事も行っている。

何と言いますか、南雲くんはよくイメージされがちな理系クンですかね？
しかも、モテるけど取扱注意という・・・(^^;)
好人物ではあるのですよ。

一方、栗山さん。
読み終わってみると、本来、日陰者であるべきは彼女を非難していた方だったという事で、少しむかついたりしていて(;^_^A
知らないって怖いし、傲慢にもなるのですね。気をつけよ。

肖像画についても二転三転して、全体としても一筋縄では行かない、複雑で興味深い物語でした。