『ユートロニカのこちら側』小川哲

マイン社は、個人のプライバシーを同社に提供することで働かずに暮らせる町「アガスティアリゾート」をサンフランシスコ市に建設、住民を募集した。
そこでは、安楽に生活できることに満足して幸せに暮らす人がいる一方、常に監視されていることに息が詰まる人もいた。
またアガスティアリゾートは、治安を守るために犯罪を犯しそうな傾向のある人物にわざと犯罪を起こすよう仕向け、追い出すという対応も始めた。

「アガスティアリゾート」に、もし私が住めるとしたら、安住してしまう鈍感な人間か？適応できない神経質な人間か？
できれば後者でありたい、というかそれが人間らしさだと思いたいけど、楽なのは前者なのかもしれません。
感受性が鈍磨していきそうで、怖いですね。