中学生の瑠璃は、八月の半ばごろ、叔母の初盆のため母方の祖母の家に、家族より一足先に向かっていた。
久しぶりに行くために道に迷っていた瑠璃は、この町、風早にあるルリユールの家を訪ねる紳士に出会う。
ルリユール―造本、製本、あるいは装幀や修復に携わる赤い髪のクラウディアさんは、洋館に住む魔女と呼ばれていた。
彼女は、出版社に勤める時林さんの伯父が読み聞かせしてくれた『宝島』の本や、SF作家志望の男性が子供のころに盗んでしまった古い図鑑など、時には修復不可能と思えるものまで見事に直してしまう。
瑠璃は、彼女のルリユールの弟子になるのだが・・・。
風早の町なだけに、魔女のクラウディアさんと口をきく七匹の猫がとても合います。
それ以外も様々な不思議は続き、クライマックスとはいえ、とんでもないことが起こります。
最期まで油断のできない、でも、温かく優しい物語でした。
私としては、どこか報われない犬の次郎さんたちに思い入れが湧きます。
ルリユール (一般書) 価格:¥ 1,620(税込) 発売日:2013-10-11 |