こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

ソード・ワールド・ノベル

2006-09-22 00:00:00 | 未分類
昨日の高井信さん安田均さんの書かれた物語を、『鏡よ、鏡』から『わらべうた殺人事件』まで
読みました。

ドワーフなのに賢者。しかも賢くてなったわけじゃなく、ドワーフとしても小さくて
体力も無かったためになったという情けない男デュダ。
そんな口先でまかせで運だけで事件を解決してきたデュダを、能力より過大に評価して
尊敬している魔術師兼精霊使い、エルフのリューク。

ロック・ワームズ卿の書く探偵小説に感化されて、故郷のピムラから首都オランの下町イーグル街に
探偵事務所を開設した。
毎度依頼者は現れず、酒場「ひとつ目ドクロ亭」に事件を探しに行く。

そもそも偶然の結果として<小人の鏡>の謎を解き明かし、幼なじみゲランの妻ライラの
命の危機を救い、村長の密室殺人の謎を解き明かしただけなのである。
調子に乗って、オランに探偵事務所を開設するところが勘違いというかお調子者というか。

それなのに、『オラン連続失踪事件』と『失われた狂気を求めて』では、またまた運の良さと
思いつきだけで闇の宗教団体の教祖マッディ・マティスと戦い勝利をおさめ、
彼らによる高僧失踪事件やロック・ワームズ卿誘拐事件を解決に導いた。

『魔法の豚足』では、盗まれた家宝が豚足というだけでも笑えるのに、魔力があるというばかばかしさ。

『ユーベルの壺』は西遊記のある物語を連想する。作成者の利用法が非常にあほらしく笑える。

『古代の呪い』は、依頼主が依頼を承知した翌日に亡くなり、デュダに殺人の疑いがかかる。
これも運だけで解決しているようなもの。

『果てしなき宝島』は、昔懐かしい冒険物。
テーブルトークRPGらしい物語かもしれない。
海賊ビュヒナーの隠した宝の地図を手に入れ、デュダがとんちんかんな暗号解読をしてみせたり、
宝箱にまた地図が入っていたり、いきあたりばったりの迷推理をしたりで、
本当に果てしない物語だった(笑)

『わらべうた殺人事件』は、このシリーズの中では一番ミステリらしい物語だった。
しかし、いくら暇だって他人の親の葬式に「葬式といえば遺産相続。遺産相続といえば、
それを巡る遺族の争いと決まっているじゃないか。ひょっとすると殺人事件が起こるかもしれない」と
無茶を言ってついていくものかね。
さらに、連続殺人事件が本当に起こって、わらべうたの歌詞の通りに切断されているとは。
相変わらず、デュダの迷推理が事態を混乱させるけれど、ファンタジーの世界なのに
きっちりミステリが成り立っているところが気に入った。この中では、一番好きな物語かもしれない。

デュダは、迷推理といきあたりばったりの行動と発言で混乱させるけれど、最後には事件をきっちり
解決しているんですよね。
ただ、巡察官ギリアムに毎回手柄を横取りされていることが、気の毒といえばいえるのですが・・・(^^;)
あっという間に読み終えて、たくさん笑わせていただきました。

コメント
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