走ってこうわい

前向こうぜ! うん、文句いわずにがんばろ!

図書館エレベーターのお爺さん

2024年04月12日 | 日記
この間公立図書館に行ったときのことを思い出した

本を貸し出しする階は三階にある
その日はエレベータに乗った
先に乗ったのは腰の曲がったお爺さん
ほぼ90度近く曲がっていた
エレベーターに乗り込むときも腰が曲がった状態で
ゆっくり歩いて乗り込んでいたの見た
そのエレベーターは古いエレベーターなのでとても狭い

申し訳なくこっちが後から乗り込むとお爺さんが言った
「3階でよろしいか?」

そのとき耳に届いた声は誰がいましゃべったんだろうというくらい
とても若々しいアナウンサーのようないい声だった
とても腰の曲がったお爺さんが発した声とは思えなかった
「は、はい」
ちょっと驚いて返事をした

お爺さんが3階行きのボタンを押すと
エレベーターのドアが閉まりゆっくり登り始めた
するとお爺さんの曲がった腰が、なんとゆ~っくりと伸び始めたではないか!
こっちはびっくりというよりも(え~っ)という驚きで目がまんまるになった

お爺さんの背筋がほぼ垂直になったころ、エレベーターは3階に止まった
すると今度はドアが開くのに合わせたかのように
まっすぐに伸びている背筋がゴムひもの縮み始めた
そして元の90度に腰の曲がったお爺さんの姿に戻った
斜め後ろから見ていたら、まるで妖怪が一瞬だけ真の姿を見せて
すぐまた元の姿になったところを見たような気がした

エレベーターから降りる特はこっちが先に降りた
ちょっと興味で振り返ってみると、後ろから出てくるお爺さんは
エレベーターに乗り込むときと同じ
腰の曲がった姿でゆっくりと歩いてきている
それを見たらある場面を思い出した

(そうだ、志村けんのお爺さんだ...)「なんですと~」

驚きがおかしさに変わった
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