カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

佐藤栄佐久 『知事抹殺』

2013-12-15 17:12:18 | 本日の抜粋

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 森本検事は、東京拘置所の取調室で祐二にこうも言った。

「佐藤知事は日本にとってよろしくない、抹殺する」

 どういう意味なのであろうか。
 たしかに、二一〇万福島県民の安全を考えて数々の原発の事故隠しやデータ改ざんなどの問題に対応していたら、日本の原発がずべて止まった。結果として国を一時的に窮地に追い込んだことは事実だ。また、全国知事会では、中央省庁出身の知事たちがひるんだり日和見する中、叱咤激励しつつ地方分権の大原則から道州制に反対し、また小泉政権下での「三位一体の改革」が、真の意味で行われるように闘ってきた。また、まちづくり条例で大型ショッピングモールの出店規制を行い、大手スーパーや経産省とも激しく対立してきた。 
 知事と「霞ヶ関」との闘い。知事には都道府県の行政を統べる強力な権限があり、私の場合、その源泉は、福島県民による圧倒的と言っていい支持だった。(中略)

 もちろん「霞ヶ関」からの反発や圧力は、有形無形を問わず続いていた。しかし、ある日突然、別のパンチが繰り出されてきたのである。それが東京地検特捜部の捜査であった。(中略)
 私が闘ってきた「霞ヶ関」の官僚の行動原理は、基本的に「自己保身」であった。官僚は自らの責任として何かをなすことを嫌い、「顔」がなかった。対して特捜検察は、その行動が「自己目的化」しているのだ。(中略)

 マスメディアも共犯である。記者たちはコメントを求めて押し寄せてくるが、ある時から検察のストーリーに沿った記事しかでなくなった。

 佐藤栄佐久 『知事抹殺』より 平凡社

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あの3・11の5年前に「闘う知事」は汚職事件を捏造されて逮捕された。
一審、二審で有罪とされ昨年10月に最高裁で上告が棄却され有罪が確定した。

冤罪だと断定できるのは、有罪とした高裁の判決自身が「賄賂の金額がゼロ」と認定し、「知事が収賄の認識すらなかった可能性」を示唆しているからだ。
お金のやり取りが無かった収賄事件なんて、、、。
こんな裁判が日本では許されている。

権力としては、事の真実などどうでもいい。
時の政権にとって都合の悪い者をその時点で政治的に抹殺すればいい。
後に真実が明らかになっても、彼の政治生命はすでに尽きているのだから、、、。

マスメディアの対応も卑劣でさえある。
逮捕劇を罵声を浴びせながら演出するのは毎度のことだ。
でも、実質無罪が判明した時に、彼らはどれほどの熱意を持って取材しただろうか?
どれほどの謙虚さをもって、自らの取材を反省しただろうか?
検察発表を鵜呑みにし、丸写し記事を国民に提供し続けてきたことに、、、。



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