普段着やお出掛け着として着物を着るようになった去年の秋の初め頃、長襦袢がもう一枚欲しいと思ったので、母に「着ない長じゅばん持ってない~?」と電話しました。その時の返事は「探してみるわ~」。次にかかって来た電話で母は「若い時のがあったけど、後ろにシミがあるし、丈も短いから、○林のおばちゃんに相談してみるわ~」
○林のおばちゃんとは、私が生まれた家の近所に住んでいた近所のおばちゃん。昔、芸妓さんだったそうで、私の子供の頃はいつも着物姿。縫い物やお料理が得意だったので、よくお人形の着物や洋服を縫って貰ったり、今でいうおばんざい、おからの炊いたんとか、かぼちゃの炊いたんとかをお裾わけしてもらったり、両親が忙しい時は、お昼ご飯やオヤツを食べさせて貰ったりしていました。でも、○林のおばちゃんは、もうかなりのおばあちゃん‥‥長じゅばんのことも気を長~くして待っていました。
そしたら、今日の朝、母からの電話。「長襦袢出来上がったから、持って行くわ~」
大事そうに風呂敷に包んだ長襦袢を持って母が来宅。なんと、○林のおばちゃんは、後ろにど~んとシミがあったという長襦袢を全部解いて、洗い張りして、シミのひどい部分をとって、私サイズの長襦袢に仕立て直してくれていました。仕付け糸付で、まさに、お仕立て上がり状態!可愛いピンクの雲模様。まさか、○十年も前の(本当にかなり古いです~!)ものとは、思えない綺麗さ!昔の人 (ごめん、おばちゃんこんな言い方して)の技術って、すごいです。身体に染み付いた技術 という感じ。○林のおばちゃんのおかげで、生まれ替わった母の長襦袢。大事に着たいと思います。