60年前、長崎に原子爆弾が投下された8月9日、NHK「新日曜美術館」で見て絶対行きたいと思っていた「戦後60年 いのちの証 無言館 遺された絵画展」に行ってきました。「無言館」は、長野県上田市にあり、太平世戦争で徴兵され、絵画や彫刻への志半ばにして亡くなった画学生たちが遺した作品と遺品を集めた美術館です。このような美術館があることを今回始めて知りました。会場では、その人や家族の短い言葉、どういうシーンで描かれたか、顔の写真、履歴、どこでどのように亡くなったかという説明があり、絵が展示してあります。それを一枚一枚見ていくと、絵、描いた方の生き方、思い、願いが、ひとつになって、私に語りかけてくるような気がしました。単に絵を見ているというより、その方自身と向き合っているような感じです。ひとりひとりの思い、たとえば、家族への、両親への、妻への、恋人への、兄弟姉妹への愛情、故郷への、友達への切ない思いが、ガンガン伝わってきます。あの時代にあって、親しい人にだけ出せた思い、絵にぶつけた思い、「生きたい」「絵を描きたい」という強烈な思い…。ひとりひとりにあった人生、それが凝縮された絵。会場にはお年寄りの方も多く、泣いてらっしゃる方も…。でも、私は、ひとつひとつの絵から生きるエネルギーを貰ったような気がしました。うつ病を患い、たまに、ほおり出したくなる私の凸凹人生。「生きたい」と強烈に語りかける絵に、「生きなさい」と命じられているようでした。
会場の最初にあった、無言館館主 窪島誠一郎氏の言葉の一節。
「~画学生の絵を単なる戦争被害者の絵としてではなく、あの時代に絵を描くことによって生き抜いた一群の青年たちの命の証として、いわば戦時下に生きた若者たちの青春の証として展示してくださるという企てを聞いたときには心がはづんだ。あの不条理な時代を~」
麻の着物を着るのは2回目。恒例の記念撮影。