南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

しっかと見つめよう

2008-12-31 18:46:43 | Weblog

日本の株式市場では、この1年間に42.1%も株価が下落し、前年末から比較すると196兆円が失われたという。
世界でも同様に年末の時価総額は31兆ドルで前年比半減、およそ29兆ドル(2600兆円)が消失したという。
持株会を通して持っている私の株価も今年のピーク時と比べておよそ1/3になってしまった。
売り買い目的ではないから私の生活には何の影響も無いが、世界的な株価の急落は大変な衝撃を実体経済に及ぼしている。

株価急落の引き金となったのは今年9月の米証券大手リーマンブラザーズの破綻だが、その前兆は一昨年(07年)から心配されていた米国のサブプライムローンに色濃く現れていた。
(07年3月14日「米国住宅ローンバブル崩壊」、07年11月28日「世界中を震撼させている単語」参照)
ともあれリーマンブラザーズの破綻を機に、株式や社債などのあらゆるリスク資産が信用を失って、一気にマネーが逃げ出す。
しかし預貯金や国債などの安全資産も利下げされ、原油や穀物などの商品市場も世界的な景気減速で需要が細り商品相場は暴落した。
いよいよ行き場を失ったマネーは、莫大な損失を撒き散らしながら実体経済を巻き込んで闇の底へ沈んでいった。

90年代のバブル崩壊で日本経済は多くのことを学んだはずだった。
設備、雇用、債務の“3つの過剰”に苦しみながらもそこから脱した日本企業、しかし裏側では米国の強欲資本主義に踊らされて、惑わされて、いつしか世界のバブル形成に加担していたのではなかろうか。
“失われた10年”と後に呼ばれた不況を乗り越えて、日本経済は2002年2月から景気回復に向かった。
そして2007年10月にピークを迎えて、“いざなぎ景気”を超える戦後最長69ヶ月間の景気回復を記録する。
そんな景気回復の最中(2004年)、製造業への労働者派遣を可能とする法律改正を行った。
この結果賃金の安売り競争が始まって、勤労者にとって実感無き景気回復になってしまった。
(経営側はそうしなければ日本の製造業は空洞化してしまったと反論するが、一方では余力を持って海外市場を荒らしまわり、内部留保も巧に蓄えた)
あっというまに製造業の4人に1人が派遣労働者となり、「雇用の調整弁」としてこの不況で猛烈な勢いで雇止めにあっている。
11月・12月はまさに“つるべ落とし”状態に陥ってしまい、そしてこの年末の修羅場を迎えてしまった。

いったいいつ景気の底入れがあるのかは分からないが、この1年間の急激な変化とこの修羅場を私たちはきちんと見つめねばならない。
その反省の上に立って、これからの新しい時代を築いていかねばならない。

1年間お世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。

追伸
 年越し蕎麦は今年も温かく美味しかった。
 きっといい年になると確信しました。
 Yes we can  


いつもの師走風景

2008-12-30 22:06:26 | Weblog

事務所詰めのスタッフを見舞いながら年の瀬のデパートを覗く。
不景気風がどこに吹いているのかと思えるほどの人出だ。
正月の買出しにどこもかしこも人・人・人の群れ。
なにやら心もウキウキしてくるから不思議だ。

エスカレーターで前にいた若者たちの会話も面白かった。
『この店は“基本カワイイ系”だな。
でもこの店で一番目立っているのは“オマエだぜ”』
思わず噴出しそうになるようなクサイ台詞だったが、最近の男はこんな台詞をいとも簡単に口にするのかしら?

心ウキウキついでに、昨日の“志太泉”と飲み比べたくて“臥龍梅”を捜す。
清水の三和酒造が売り出し中の逸品だ。
帰宅して飲み比べたが、さすがどちらも“基本辛口系”の逸品で甲乙つけがたい。
さてさてどうしたものか、もう一品捜さねばならなくなってきた。

今日もいい1日でした。
明日もいい日でありますように。


志太泉

2008-12-29 21:48:44 | Weblog
なかなかに味わい深いお酒だった。
昨夜は磯自慢を土産に忘年会にと酒屋に寄るが在庫切れ。
昔から磯自慢を仕入れていた店だが、今年はサミット騒動で想定外の出来事だと言う。
店主に文句言っても始まらないから、次なるお奨めの酒を所望。
出てきたお酒が“志太泉”。

なかなかの味わいにみんなでグー。
今宵のお酒も“志太泉”にと酒屋へ寄る。
熱燗にして飲みたい気分で本醸造を頼む。

いい1日でした、ありがとう。
明日もいい1日でありますように。

年賀状が書けないぞ

2008-12-28 12:32:40 | Weblog

そろそろ年賀状を出さねばならないが、今年は言葉が浮かばない。
困った、困った。

イスラエル軍がガザ地区のハマスに対して大規模な空爆を行っている。
ハマスからのロケット弾攻撃が原因であると、アメリカのライス国務長官はイスラエル軍の正当性を表明しているが、本格的にきな臭くなってきた。

金融戦略が破綻したアメリカに残されている製造業は、住宅と自動車と軍需産業である。
世界中のアメリカ寄りの政権はこの金融危機でどんどんと弱体化している。
逆にイスラム原理主義者などの反アメリカ勢力は勢いを増している。
まさかとは思うが、そのまさかが起こりうる状況になりつつある。

今夜は今年最後の一泊忘年会だ。
楽しい友とゆっくりと語らいながら、新年にふさわしい言葉を考えてこよう。


いのちの授業

2008-12-27 21:31:46 | ユニオン

報道特集で「いのちの授業」なる活動を紹介していた。
乳がんを患ってから命の大切さを中学生たちに伝える活動をライフワークとした女性教師の1年間をカメラは追っていたが、1ヶ月ほど前に亡くなられた。
様々な活動を実践している素晴らしい人たちがいるものだと感心する。

「いのちの授業」を実践している方々は全国にいるらしい。
以前、自死遺族の話を聞いたときにも感じたことだが、話を聞きながら残された遺族の苦しみや悲しみが我が思いに重なってくる。
何があっても自分から死ぬなどとは考えてはいけないと強く思う。
災害ボランティア養成講座で教えられたことも、「被災者の立場」に立つことであった。

私たちは労働運動を実践している。
なによりも働く場を失う苦しさ・辛さを知らねばならない。
“雇用の場”はすなわち“生きる場”である。
数年前になんとか無事定年まで勤めさせるため苦労した組合員がいた。
なかなか個性的な人で、ある意味会社では厄介者扱いされていた人だ。
職場を転々として精神的に追い込まれて休みがちになってしまった。
若い頃には仕事もできた人であったが、使いこなせなかった上司にも問題はあったと思う。
そんな彼の相談ごとに3年間付き合ってきた。
家に行って奥さんとも話し合ったりして、そして定年を迎えた。
男にとってやはり定年まで勤め上げたということは嬉しいものである。
喜ぶ彼の顔を見て私も本当に嬉しかったことを思い出す。

救えた人もいたが救えなかった人もいた。
でも力不足であろうがなかろうが、救おうという気持ちだけは持ち続けなければならない。
“雇用”は“生命(いのち)”でもあることを忘れないようにしよう。


納まりきれない仕事納め

2008-12-26 17:34:02 | ユニオン

午後から事務所の大掃除。
街宣車に大量のゴミを詰め込んで廃棄する。
汚れた窓ガラスを拭きながら、1年を振り返る。
掃除中の事務所に相談ダイヤルのベルが鳴りわたる。

朝は県議からも緊急の問い合わせ。
会派代表者会議が開かれて、1月7日に「緊急雇用対策の補正予算案審議」のための臨時議会が検討されるとのこと。
ついては今、緊急的にどんな施策が必要かを教えて欲しいとの電話だった。
麻生首相の判断で年越しとなってしまった国の補正予算。
もう国の対策を待ってはいられない逼迫した事態に、とうとう県の出来うる限りの予算措置を伴う緊急対策を講ずることになった。

そうこうしているうちに、いよいよ正規社員の雇用まで手がつき始めた。
まずは再雇用社員の雇止めだ。
多くの企業では「再雇用を希望する社員について会社が認めたものについては雇用する」という制度に留まっている。
法の精神は年金接続年齢までの雇用を保障するよう求めているが、残念ながら努力義務にしか過ぎない。
再雇用が権利として認められるか否かは、企業の制度や慣行によるが、なんといっても最終的には労使の力関係に左右される。
年金受給年齢前に職場を失うことも、現役社員が解雇されることも同じようなものである。
労働者派遣法の欠陥によって派遣社員の雇用を守れずにいるが、同様に高齢者雇用安定法の欠陥により再雇用社員の雇用を守れないといところに追い込まれてしまう。
ここでもあまりの政治的無策と、こういった事態を見過ごしてしまった私たちの不甲斐無さを嘆かざるを得ない。
なぜ年金受給年齢の引き上げとともに定年年齢の引き上げを実現させなかったのか。
その後ろ盾のないままに、会社側と闘わねばならなくなってきた。
“雇用第一”をどこまで守れるか、ひとつのリトマス試験紙になってきた感じがする。
いよいよ来年は雇用春闘の幕開けだ。


緊急雇用対策

2008-12-25 17:53:47 | ユニオン

県知事宛に「経済情勢の激変に対する緊急対策を求める要請書」を提出したのは10月10日だった。
あっという間に雇用不安の火の手が広がり、10月29日に静岡労働局を通じて“住宅困窮者対策”などを厚生労働省へ要請する。
10月31日には県議会会派・平成21、11月4日には民主党県連に対して、「派遣・請負労働者の雇用契約解除等に関する緊急救済の要請」書を手渡す。
さらに連合本部と民主党本部に対しても、11月6日・10日と要請活動を行った。
一連の要請行動に対して連合本部も積極的に運動してくれたおかげで様々な緊急支援策が決定された。
しかし、これらの支援策が肝心の労働者に伝わっていない。
そこで本日、緊急ではあるが構成組織と地協に対して協力要請を行なった。
その内容は以下のとおりである。

ひとつは、構成組織を通じて派遣先労働組合(単組)が企業の協力を得た上で、派遣会社に対して厚生労働省の支援策を派遣労働者に情報提供してもらうことだ。
支援策とは、①住居支援給付金②就職安定資金貸付③雇用促進住宅あっ旋の3つである。

もうひとつは、県民生活センターの緊急相談窓口(29・30日)やハローワークの緊急開所(29・30日)に合わせ、連合静岡事務局でも「緊急労働相談ダイヤル(29・30日)」を開設することの案内である。
日を追うごとに深刻化する雇用状況に対して、現在私たちが出来うることはやり切って新年を迎えたい。

今日、連合ファンの大学教授が事務所を訪れて来春闘に対して苦言を述べていった。
『こんな雇用状況になっているにも関わらず、連合はまだベースアップを要求するのか。
雇用確保を第1に置いて交渉すべきではないか。
それなくしてのベア要求をするならば、連合は国民の敵とされるかもしれないぞ』

教授の話を受けてこんな返事を返した。
「マスコミはベースアップ、ベースアップと騒ぐが、それは間違いだ。
それは過年度物価上昇分のことであり、その要求をすることは生活維持のためであり、理論的に言っても要求しないほうがおかしい。
仮に20%の物価上昇があったとするならば要求しなければ生活は破綻する。
雇用確保はそのこととは違う次元で交渉しなくてはならない。
連合本部にも提言しているが、政労使の合意による大企業のみの時限立法的な時短政策などをとって、ワークシェアリングを実現すべきだ。
もちろん賃上げをしても、時短分の賃金はダウンするが、大企業の従業員はそのくらいの分かち合いを理解してもらえると思う」

どのような展開をみせるかは不明であるが、来年いっぱいは厳しい雇用状況が続きそうである。
しかし“朝の来なかった夜は無い”“止まなかった雨は無い”のである。
この苦しい時期をみんなで分かち合いながら乗り切れば、きっと明るい明日が来るはずだ。


場外反撃?

2008-12-24 20:50:40 | ユニオン

第2回静岡県総合計画審議会が開催された。
県民生活部会と経済産業部会とでそれぞれ議論された内容と、事務局で検討してきたその他の分野についての素案をもとに議論する。

私は、こんな意見を述べた。
「これまで2回の分科会が行なわれたが、その後県内の雇用状況は“つるべ落とし”状況であり、来年はもっと悪化するかもしれない。
その上で、そうなった原因について追求していくと、国が定めた法律の悪改正に行き着いた。
(国際会計導入・入管法、労働者派遣法改正など)
次の時代のために真剣に考えていかなければならない。
県で出来ることは限られているが、都市計画や地産地消(東京資本よりも地場資本を大切にすることも含め)についても根本的に考えて欲しい」

終了後、2人の委員から反撃(?)を受けた。
医療関係者からは、
『看護・介護職にも労働者派遣が入り込んできている。
なかには弱みに付け込んで詐欺まがいのあっ旋まで行なわれている。
連合よ、しっかりして欲しい』
大学教授からも、
『医師不足の原因を科学的に突き止めて欲しい。
勤務医と開業医の報酬比較や労働実態を調査したことはあるか。
同一労働同一賃金と長年主張しているが、なぜ実現できないのか。
科学的に労働対価を追求したことはあるか』
審議会では一言一言が議事録に載るため、みな遠慮している。
だからかもしれないが場外議論のほうが余程面白い。

深刻な雇用状況をどのように連合本部は受け止めているか?
今日の午後、本部の古賀事務局長に電話でお聞きした。
なかなか答えにくいような失礼な質問もさせていただいたが、各県からも現場の声をどんどんと本部に上げていくべきだ。
これもまた場外反撃ととられるだろうが、現場の実態は訴え続けていきたいと思う。
現場に最も近い地協からも、県連合へタイムリーな情報の提供をぜひお願いしたい。


帰る場所

2008-12-23 22:47:51 | Weblog

俳優・緒方拳さんの遺作となったことや、好きな歌手平原綾香も出演していたこともあってTVドラマ「風のガーデン」が最近のお気に入りだった。
ビデオ録画してあった最終回を2回も見てしまった。

自らのわがままから家庭を捨て、家族を捨て、故郷を捨てた主人公が末期ガンで死を目前として故郷へ戻ってくる。
そんな主人公を温かく迎えてくれる家族や故郷、そして男は心穏やかに天国へ旅立つ。
北海道富良野町の美しい風景とともに、誰にも“帰る場所”があることを伝えてくれる。
倉本聡の脚本もいつもながら素晴らしい。

長男に生まれた私は時々家を守ることが辛くなることがあった。
私から見れば自由気ままに生活している次男が羨ましくも思ったりもした。
しかし最近少し歳をとったせいか、生まれ育ったこの家や地域がいとおしくてならない。
それは本来“帰る場所”に生きていることの安心感なのかもしれない。


勝利の方程式

2008-12-22 12:17:31 | 政治

ほとんどの人が勝てないと言っていた焼津市長選挙で連合推薦の清水ひろし氏が当選した。
30,119票vs28,732票という際どい勝利ではあったが勝利できたのはなぜだろうか。
相手は自民党現代議士の全面的な支援を受けて、市会議員も21人が支援、現焼津市長も合併した大井川町長も支援の輪に加わった。
こちら側は連合志太榛原地協に加え民主党推薦と市会議員2人のみの小部隊である。

実はこの焼津市長選挙の前に行なわれた湖西市長選挙が大きなヒントを与えてくれた。
単純・明確なメッセージ“焼津を変えよう!”を一貫して訴えた。
後援会活動から選挙中の法定ビラや、確認団体の宣伝ビラまでを統一させた。

加えて連合三重から教えてもらった県議選対の活用だ。
確認団体の街頭行動に平成21の同僚県議が交代で朝・昼・晩の応援体制を組んで、県内各地から駆けつけた。
これは静岡県では初めての試みだった。

もちろん民主党への追い風とともに連合地協の応援や、核となった清水後援会の熱烈な活動があったからこそでもある。
相手側陣営の油断も当方に幸いした。
次は県議補選、そしていよいよ総選挙である。
年明けから一斉に地方選挙の幕が開く。
すべてに勝利して新しい時代の扉を開きたいものである。