南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

暗黒時代に陥らないためには

2008-12-17 17:45:30 | 読書
風邪が本格的になってきて本日は病欠。
寝ながら読んだこの本には希望がなくて、一方で希望にみちている。

ジェイン・ジェイコブズの「壊れゆくアメリカ」の書き出しである。
この中で日本についてこんな記述があった。

どのようにすれば文明が暗黒時代、ないしは暗黒時代に陥るのを避けることができるだろうか。
黒船に乗ったアメリカ艦隊のペリー提督が1853年に日本に対して開国を迫った後、日本は植民地化による暗黒時代をなんとか免れることができた。
それまで日本は危険な外国との接触とそれによる混乱を避けるため、鎖国政策による「要塞に閉じこもる精神状態」を維持してきた。
西側世界に追いついて、農業文明から創意にもとづくポスト農業文明に移行する間もこの精神状態を守っていた。
この移行期間の変化を通して日本社会は独自の文化的特性を大切にし、それをはぐくむことに精力を注ぎ、名目上の長である天皇を復権させサムライの理念をたたえ神社を守り、芸術を磨きその価値を高めた。
そして日本は西側世界の慣習・流儀を日本独自の文明に同化させた。
日本としては西側に対抗することで、日本文明が今日性のない取るに足らないものになることを避けようとしたのである。
壊れゆくアメリカ
ジェイン・ジェイコブズ
日経BP社

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日本人の持つスキルやアイデンティティを大切に守り育てていくことの大切さを外国人の目を通して教えてもらえる。

そんなこんなで喉の痛みは取れてきたが、知恵熱(?)が出てきた模様だ。