日本の株式市場では、この1年間に42.1%も株価が下落し、前年末から比較すると196兆円が失われたという。
世界でも同様に年末の時価総額は31兆ドルで前年比半減、およそ29兆ドル(2600兆円)が消失したという。
持株会を通して持っている私の株価も今年のピーク時と比べておよそ1/3になってしまった。
売り買い目的ではないから私の生活には何の影響も無いが、世界的な株価の急落は大変な衝撃を実体経済に及ぼしている。
株価急落の引き金となったのは今年9月の米証券大手リーマンブラザーズの破綻だが、その前兆は一昨年(07年)から心配されていた米国のサブプライムローンに色濃く現れていた。
(07年3月14日「米国住宅ローンバブル崩壊」、07年11月28日「世界中を震撼させている単語」参照)
ともあれリーマンブラザーズの破綻を機に、株式や社債などのあらゆるリスク資産が信用を失って、一気にマネーが逃げ出す。
しかし預貯金や国債などの安全資産も利下げされ、原油や穀物などの商品市場も世界的な景気減速で需要が細り商品相場は暴落した。
いよいよ行き場を失ったマネーは、莫大な損失を撒き散らしながら実体経済を巻き込んで闇の底へ沈んでいった。
90年代のバブル崩壊で日本経済は多くのことを学んだはずだった。
設備、雇用、債務の“3つの過剰”に苦しみながらもそこから脱した日本企業、しかし裏側では米国の強欲資本主義に踊らされて、惑わされて、いつしか世界のバブル形成に加担していたのではなかろうか。
“失われた10年”と後に呼ばれた不況を乗り越えて、日本経済は2002年2月から景気回復に向かった。
そして2007年10月にピークを迎えて、“いざなぎ景気”を超える戦後最長69ヶ月間の景気回復を記録する。
そんな景気回復の最中(2004年)、製造業への労働者派遣を可能とする法律改正を行った。
この結果賃金の安売り競争が始まって、勤労者にとって実感無き景気回復になってしまった。
(経営側はそうしなければ日本の製造業は空洞化してしまったと反論するが、一方では余力を持って海外市場を荒らしまわり、内部留保も巧に蓄えた)
あっというまに製造業の4人に1人が派遣労働者となり、「雇用の調整弁」としてこの不況で猛烈な勢いで雇止めにあっている。
11月・12月はまさに“つるべ落とし”状態に陥ってしまい、そしてこの年末の修羅場を迎えてしまった。
いったいいつ景気の底入れがあるのかは分からないが、この1年間の急激な変化とこの修羅場を私たちはきちんと見つめねばならない。
その反省の上に立って、これからの新しい時代を築いていかねばならない。
1年間お世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。
追伸
年越し蕎麦は今年も温かく美味しかった。
きっといい年になると確信しました。
Yes we can
さて、最後の最後に一言だけ。
もし今、派遣の方々が全員正社員だったら、(会社は)どんな事になっていたでしょうか?何をしたでしょうか?
こう言ったシュミレーションも必要ではないでしょうか?
今年は実家で1週間過ごします。(お袋は嫌がっていますが)
良いお年をお迎え下さい。