南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

国籍法改正の功罪

2008-12-05 12:57:50 | 政治

目立たないが重要な法案が審議され改正された。
「国籍法」の改正である。

そもそもの発端は、結婚していない日本人父とフィリピン人母との間に生まれた子どもに対して日本国籍を求めた裁判で、最高裁が「父母が結婚していないことを理由とした国籍取得申請の不受理は憲法違反である」との判決を下したことからである。

現在の国籍法では、外国人母から生まれ日本国民である父に認知された子は、父母が婚姻した場合にのみ届出によって日本の国籍を取得することができるとしている。
改正法案では、文中の「父母が婚姻した場合にのみ」を削除し、日本人父が認知すれば日本国籍を取得できるとしている。

この改正により年間600~700人の新たな届出があるだろうと推計されている。
問題は、日本国籍が簡単に取得できるようになるため、悪用する人間が出てくることだ。
例えば、日本人の子でない子どもに日本国籍を取得(認知偽装)させた外国人母が合法的に日本に居住したり、若い女性を自分の子と証し日本人として受入れて売春などを強要したりする恐れだ。
それを防止するために法律案に付帯決議が付けられた。
しかし世の中には悪人が多く万全を期することはできない。

認知偽装を防ぐために「DNA鑑定」を義務付ける案も浮上したが、その導入は相当ではないと却下されている。
第1の理由は現在の家族法体系と相容れないという点だ。
親子関係や家族関係をDNAで規定することはふさわしく無いし、外国人の子の認知についてだけDNA鑑定を要求すると外国人に対する新たな差別を生み出すことになるからでもある。

法律ですべてを解決することはできない。
今日は意味じくも私の57歳の誕生日である。
この世に生を受けてから20820日目の記念日である。
「国籍法」改正を契機にして、20821日目からはさらなる下半身人格を高めていこうと決意した。