南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

私を感化した言霊たち(10)

2013-08-31 09:08:39 | ユニオン
いつ頃のことか、どの場所だったのかも定かではありませんが、ある寺院の掲示板に書かれてあった言葉に目を引かれました。
そのボードにはこう書かれてありました。

「どうせするなら気分良く 重い荷物も軽くなる」

“朝令暮改”というか“新しモノ好き”というか“理想主義”というか、とにかくじっとしていることが苦手な私の下にいるスタッフはかなり苦労します(するようです)。
(するようです)ということは、私自身が鈍感なため、彼らの苦労に気づくことが少ないからかもしれません。
ボードに書かれてあった言葉を忘れないうちにメモ書きしときました。
もちろん自分自身への戒めのためでもあります。

あるとき書記長が大きなため息とともに愚痴をこぼしました。
「駄目だよ、ため息をひとつつくと幸せがひとつ消えるぜ」
(このセリフも誰かの受け売りで時々使いますが…そのあとにこの言霊をぶつけました)

「どうせするなら気分良く 重い荷物も軽くなる」

大きな仕事がひとつ片付くと、またひとつ、またひとつと仕事は増えていきます。
書記長は言いました。
「委員長、いつになったら軽くなるんでしょうか?」

対話活動の勧め(下)

2013-08-30 17:02:49 | ユニオン
今年度の連合静岡対話集会のテーマは「“この”しんどさをどう乗り越えるか?」でした。
「あなたの“しんどさ”は何ですか?ぜひ聞かせてください」から対話が始まります。
今回は時間の都合で深掘りができませんでしたが、“しんどさ”の深掘りまですると面白いものが見えてきます。
深掘りするということは、なぜ?を何度も繰り返すということです。
なぜ?を5回も繰り返していくと、「実は〇〇なんだ」という真実が見えてきます。

でもこの真実を見るには、リード役がしっかりとした「理念」や「ビジョン」を持っていなければなりません。
そうでないとおかしな方向へ運動が展開されてしまいます。

たとえば「組合員の組合離れを喰い止められない“しんどさ”」があるとします。
下手なリードをしていくと「それでは人気の高いディズニーツアーを計画しよう」となってしまいます。
ディズニーツアーが悪いということではなく、問題の核心に触れることがないままに問題解決しようとする姿勢が一番怖いんです。
確かに「格安ディズニーツアー」を企画すれば定員以上の申し込みがあるやもしれません。
しかしそこには貴重な組合費が使われています。
そのことを忘れていると組合員の組合離れはますますひどくなります。

問題解決を図るためには、問題が発生している現場に委ねるべきです。
現場で汗する組合員の能力とやる気を信じて委ねるべきです。
だからこそ労働組合の理念とビジョンを共有させる必要があるのです。

対話活動の勧め(上)(下)をこんな風にまとめてみました。


カウンターから見える風景「狸の穴」

2013-08-29 17:11:05 | グルメ
名人芸の域に達したグラス注ぎ。
片手で一升瓶をつかんで、一滴もこぼさず並々と注いでくれます。
静岡の地酒がずらっと並んだ居酒屋で、おかみさんのトークとマスターの名人芸にいつしか酔ってしまいました。



久しぶりの「一万歩クラブ」会員獲得です。
実は「狸の穴」のマスターとおかみさんも会員で、最近の状況についてアレコレ話していたら、お客のAndyさんも加入してくれました。
某ベンチャー企業の若手経営者でなかなか個性的な方でした。
このお店にも遠方から通う常連さんが大勢いますので、意外な出会いも楽しみのひとつです。

対話活動の勧め(上)

2013-08-28 18:34:13 | ユニオン
対話活動でなぜ組織が活性化するのでしょうか?
堀 公俊(著)「チーム・ファシリテーション」の言葉を借りて、「対話集会の目的」をまとめるととこうなります。

1、対話を通じて、ビジョンを共有する
2、地域の自律性を高める
3、目標を共有化し、PDCAのサイクルを回す


大切なことは、理念やビジョンといった中心軸をしっかり共有するということです。
そのためにはビジョンをわかりやすい言葉で話す必要があります。
分かりやすい言葉は、自分の頭で考えて、自分の言葉にしなければ手に入りません。
自分の手の中になければ伝えることはできませんから、まずは自分自身の言葉を探すのです。

そういう風にして中心軸を共有したうえで、問題解決は現場に委ねます。
現場にはすべての答えが落ちていますから、現場抜きの問題解決はありえません。

人はみな誰しもが優れた能力とやる気を備えています。
しかしその能力に気づかない人たちも大勢います。
それに気づけば人は動きます。
動けばものごとは変化します。
変化を見えるようにしてあげれば、また何かに気づきます。
気づけば動きます…
対話することでこのスパイラルが回り始めます。
これが自律性と協働性を兼ね備えた組織の姿です。


チーム・ファシリテーション 最強の組織をつくる12のステップ
クリエーター情報なし
朝日新聞出版

“ふじのくに”子ども・子育て応援県民会議

2013-08-27 17:01:02 | ユニオン
少子化は社会全体の問題。
人口減少社会に歯止めがかからないと加速度的に社会が壊れていきます。
だから社会全体で子ども・子育てを応援していかなければなりません。

本日「“ふじのくに”子ども・子育て応援県民会議」が設立されました。
この趣旨に賛同していただける団体には「ふじさんっこ応援隊」への参加をお願いしてまいります。
“ふじさんっこ”には、次のような思いが込められています。

(^^) 若い世代の「2~3人は子どもを生みたい」という希望を実現したい!
(^^) 県内の子どもは、静岡県の象徴である富士山の下で健やかに育って欲しい!!

参加登録はWEBで行えますので、ぜひ労使協働での応援をお願いします。




ブラック企業・2題

2013-08-26 17:13:48 | ユニオン
ブラック企業とは?
恣意的にブラック企業化されてしまうこともありますのでその定義についてはもう少し丁寧に取り扱う必要も感じますが、簡単にいえば「周りの人に入社を勧められない企業」のことです。
具体的には劣悪な労働環境下で人を働かせるということです。
劣悪な労働環境とは、慢性的なサービス残業、多発するパワハラやセクハラ事件、そして労働災害などですが、その実態把握はネットなどでのタレこみ情報によるものが多いと言えます。

そんななかで厚生労働省は、長時間勤務など過酷な労働を強いるブラック企業への集中的な取り締まりを実施すると発表しました。
9月を「過重労働重点監督月間」に指定し、法令違反が疑われる約4千社への立ち入り調査も予定しています。
強化月間中には、離職率が極めて高いなど若者の使い捨てが疑われる企業を立ち入り調査し、過重労働や残業代の不払いなど労働基準関係法令への違反が疑われる企業に対しては、指導監督を実施する予定です。
重大・悪質な違反が確認された企業は送検し、会社名などの公表も行うとのことですから、注目したいと思います。

また9月1日(日)は9時から17時までの時間限定ですが、無料電話相談を実施し労働省自らも実態調査に臨むとのことです。



もうひとつの話題は「雇用特区」の問題です。
一部の大都市に限り雇用規制緩和を行い、企業側の論理に立った「世界で一番ビジネスのしやすい環境」をつくろうとするものです。
詳細は新聞記事(中日新聞8月24日)をお読みください。


私を感化した言霊たち(9)

2013-08-25 15:20:02 | ユニオン
組織内の市長選挙選対本部は何度も経験をしましたが、大きな選挙になればなるほどチームづくりに苦労します。

ある年の〇〇選挙戦のことです。
まるきり異質な支援者が集まりましたが、それぞれが実に存在感を打ち出してきます。
選挙はまとまって動かないと勝利することはできません。
会議を開いてもしっくりいかないし、選挙事務所のなかにもどこか冷ややかな空気が流れていました。

そんな雰囲気を察知したある有力支援者の一人が、私にある言葉をメモ書きしながら渡してくれました。
そこにはこう書かれてありました。

「俺が俺がの我(が)を捨てて、おかげおかげの気(け)で暮らせ
実るほど頭を垂れる稲穂かな」


この事務所を見ているとほんとうにその通りです。

俺はこんなにやっているんだ!
それにくらべてあそこはどうだ!なにもやってないじゃないか。

俺の言うことをなんで聞かないんだ!
言うことを聞いてくれなければ俺は下ろさせてもらうぞ。

俺が、俺が、の連発です。
誰一人として(おかげさまです)(ありがとうございます)の心がありません。
みんな威張ってふんぞり返っています。

字の上手い事務員さんにお願いをして、この言葉を大きく墨書してもらいました。

「俺が俺がの我(が)を捨てて、おかげおかげの気(け)で暮らせ
実るほど頭を垂れる稲穂かな」


事務所の一番目立つところに貼られたこの1枚の紙が厳しい選挙戦を支えてくれました。
もちろんみんなの力がまとまって勝利できました。

対話する組織

2013-08-24 15:26:06 | ユニオン
会議2日目は、三役および事務局スタッフ合同の対話集会です。
事前に配布してある地協役員との対話集会議事録も参考にしながら、これからの運動について意見を述べ合いました。

来期の活動方針を提案した後にいただいた意見ですが、それぞれ本質的な部分が見えてきます。

全員の意見を聞いた後で私はこれからの組織活動の中心に“対話する”ことを置いていただけるようにお願いしました。

対話することで、HOW文化からWHY文化へ変わります。

対話することで、会議自体がOJT化し教育の場に変化します。

対話することで、人と組織の変革が進みます。

しかし自由に対話するというだけでは、いたずらに混乱を招いてしまいます。
だから議論をうまく誘導するリーダーを育てなければなりません。
そのリーダーは議論誘導のためのスキルを学ぶだけではなく、私たちの進める社会運動の理念や方針を身につけなければなりません。
そんなリーダーを育てる方策がこれから始めようという「語り部1000人PJ」であり、「傾聴セミナー」です。

時間はかかりますが、静岡県の労働組合をぜひ「対話する組織」にしてください。

灯せ!未来塾キャンドル

2013-08-23 13:51:27 | ユニオン
今日明日と2日間の会議初日は、「連合未来塾二期生」によるグループ企画プレゼンテーションから始まりました。。
グループ員5名で考えた企画をそれぞれ発表してもらい、それを3役と事務局が評価します。
最優秀企画を「未来塾2期生」全員で実行するというものです。

企画タイトルにも工夫の後が感じられる優秀作ばかりでした。
1班「本気の婚ミュニケーションツアー」は、未来塾で学んだことを活かし、今までに無い、研修を兼ねた婚活イベントを実施するというものでした。

2班「会社と労組のホントのトコロ」は、塾生20名が分散して東・中・西部の高校を訪問し、労働組合・会社の実態について学生と語り合うというものです。

3班「あなたは大切な人を守れますか?」は、救命講習を通じて、万一の時に人命救助を自らが実践できるようになることと、地震防災センター見学を通じて危機管理対応能力を高めようというものです。

いずれも素晴らしい企画でしたが、僅差で最優秀は4班「灯せ!未来塾キャンドル」に決定しました。
一人でも多くの方々と共に、相互扶助の精神で行う活動が途絶えることのないようにという祈りをこめた感動的な企画でした。
12月中旬の休日を利用して、2期生全員と児童養護施設の子供たちと楽しみながらクリスマス用の手づくりキャンドルを作ろうというものです。

塾生のみなさん、ありがとうございました。

秩序から無秩序

2013-08-22 14:32:20 | ユニオン
整然とした部屋も、あるがままにまかせておくといつしか乱雑になってきます。
乱雑になるといろいろな不具合が生じてきます。
でもものぐさな家庭では掃除するのが面倒臭いので、どんどん部屋が汚くなっていきます。
家族のみんなが(そのうち誰かが掃除してくれるだろう)と思っていると…そんな人が現れるまで部屋は荒れ放題です。
乱雑な部屋は、誰かがやらないと未来永劫、勝手にきれいになることはありません。

秩序を保つにはルールが必要です。
もちろんルールがあってもそれを破られることもありますが、ルールがあって秩序が保たれていることには間違いありません。

普通の法律では、そのルールを定めたら個人・組織的な事情などを勘案して特別ルールなどがつくられることはありませんが、なぜか労働法には抜け道がつくられています。
その際に使われる単語は「労使協議」です。
「労使協議」で労働者代表の了解が得られれば特別ルールをつくってよいことになっています。

代表的なものが「特別条項付36協定」です。
労働基準法では働ける時間を1日8時間、1週で40時間と定めています。
これ以上働かせるためには労働者代表と協定を結ばねばなりません。
これが「36協定」と呼ばれるものですが、この協定時間の上限も1ヶ月45時間、1年360時間と定められています。
(ちなみに連合の上限規制目標は1年150時間です)
しかしさらに特別協定を結ぶことで、この上限も超えて働かせることが可能になります。
当然労働者代表の了解が必要となりますが、その労働者代表の意識が低いとそこに働く従業員は救われません。
労働組合があればまだしも無いところでは会社の言いなりです。

「心の病」での労災認定が過去最多を記録しました。
過去最多更新は今年で3年連続になりますが、2012年度は労災認定475件(労災請求1257件)で前年よりも150件増加しています。
いわゆる「過労死」の労災請求が842件ですから、いかに多いかが分かります。
注目すべきはこの労災認定475件中、時間外労働が月80時間以上の従業員が実に200人を超えているという事実です。
「過労死」の労災認定者のうち約9割が80時間以上の残業をしていることもあわせて考えると労働時間管理の乱雑さが目立ちます。

これからはじまる労働法の改悪論議、気をつけなければならないのがこの「労使協議」の部分です。
労働組合の無い会社ではどうあるべきか、労働組合がある会社ではどうあるべきか、なんの戦略も持たないままで突っ込むと、「特別条項付36協定」の二の舞です。
連合も産別も単位労働組合も覚悟を決める時だと思います。
秩序から無秩序のベクトルを止めて、逆回転の無秩序から秩序のベクトルを産みだす時はいつでしょう?…今でしょ!