県知事宛に「経済情勢の激変に対する緊急対策を求める要請書」を提出したのは10月10日だった。
あっという間に雇用不安の火の手が広がり、10月29日に静岡労働局を通じて“住宅困窮者対策”などを厚生労働省へ要請する。
10月31日には県議会会派・平成21、11月4日には民主党県連に対して、「派遣・請負労働者の雇用契約解除等に関する緊急救済の要請」書を手渡す。
さらに連合本部と民主党本部に対しても、11月6日・10日と要請活動を行った。
一連の要請行動に対して連合本部も積極的に運動してくれたおかげで様々な緊急支援策が決定された。
しかし、これらの支援策が肝心の労働者に伝わっていない。
そこで本日、緊急ではあるが構成組織と地協に対して協力要請を行なった。
その内容は以下のとおりである。
ひとつは、構成組織を通じて派遣先労働組合(単組)が企業の協力を得た上で、派遣会社に対して厚生労働省の支援策を派遣労働者に情報提供してもらうことだ。
支援策とは、①住居支援給付金②就職安定資金貸付③雇用促進住宅あっ旋の3つである。
もうひとつは、県民生活センターの緊急相談窓口(29・30日)やハローワークの緊急開所(29・30日)に合わせ、連合静岡事務局でも「緊急労働相談ダイヤル(29・30日)」を開設することの案内である。
日を追うごとに深刻化する雇用状況に対して、現在私たちが出来うることはやり切って新年を迎えたい。
今日、連合ファンの大学教授が事務所を訪れて来春闘に対して苦言を述べていった。
『こんな雇用状況になっているにも関わらず、連合はまだベースアップを要求するのか。
雇用確保を第1に置いて交渉すべきではないか。
それなくしてのベア要求をするならば、連合は国民の敵とされるかもしれないぞ』
教授の話を受けてこんな返事を返した。
「マスコミはベースアップ、ベースアップと騒ぐが、それは間違いだ。
それは過年度物価上昇分のことであり、その要求をすることは生活維持のためであり、理論的に言っても要求しないほうがおかしい。
仮に20%の物価上昇があったとするならば要求しなければ生活は破綻する。
雇用確保はそのこととは違う次元で交渉しなくてはならない。
連合本部にも提言しているが、政労使の合意による大企業のみの時限立法的な時短政策などをとって、ワークシェアリングを実現すべきだ。
もちろん賃上げをしても、時短分の賃金はダウンするが、大企業の従業員はそのくらいの分かち合いを理解してもらえると思う」
どのような展開をみせるかは不明であるが、来年いっぱいは厳しい雇用状況が続きそうである。
しかし“朝の来なかった夜は無い”“止まなかった雨は無い”のである。
この苦しい時期をみんなで分かち合いながら乗り切れば、きっと明るい明日が来るはずだ。