南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

今を精一杯生きよう

2013-10-18 22:14:30 | ユニオン
本日の大会をもって連合静岡会長の大役を終えるとともに、およそ32年にわたる労働運動の最前線からサヨナラいたしました。
思えば長いようでもあり、あっという間の出来事だったような不思議な感覚です。

最後の大会ではつぎのようなご挨拶をいたしました。

「…私も2年前の震災直後のGWに、ボラ協主催のボランティア活動で岩手に入りました。
3日間の活動を終えて11時間のバスの旅。
疲れているはずなのに眠れないまま富士山が見えるところまで帰って来ました。
左手に延々と続く海岸線を見た時、またあの光景が頭の中をよぎります。
いつかくるであろう“その日”を考えるとたまらなく切なくなります。

そんな不安定な気持ちで家に帰り、岩手の現地新聞を読んでおりましたら、そこにひとつの記事を見つけました。
それは小学校教師だというボランティアへのインタビュー記事です。
記者はこう聞きました。
「この体験を通じてあなたは子どもたちに何を伝えたいと思いますか?」
教師はこう答えていました。
「震災で犠牲になった子どもたちも多い。
その人たちの分まで、今を精一杯生きよう。
いつだって、自分にできることを一生懸命にやる。
それしかないんだよ。…と伝えようと思います」

もの凄い言葉でした。
さてあれから2年半、私は、今を精一杯生きてこれたでしょうか?
反省することばかりですが、それでも私たちは目指すべき理念や使命や方向性は明確にすることができました。
それをまとめたものが皆さんのお手元にある1冊の資料です。
片面は「連合評価委員会最終報告」、もう片面は「労福協の理念と2020年ビジョン」です。

まずは「連合評価委員会」の目次をご覧ください。
この報告書は10年前にまとめられたものですが、現状と比べてください。
危機の現状…さて10年前と比べてどうでしょうか?
なにがここまで労働者を追い詰めてしまったのでしょうか?
誤解を恐れずに言うならば、私たちがリアルタイムに意識改革・組織改革できなかった結果です。
いつしか私たちは労働者を守る立場から、組合員を守る・組織を守ることに汲々としてしまったからではないでしょうか?
そのことを報告書では強く訴えています。

残念ながら連合本部では「連合評価委員会」の指し示す改革への工程表をつくれませんでした。
連合静岡では遅ればせながら、連合評価委員会を読み解いて、2007年より「地域に根ざした顔の見える労働運動」を大方針として掲げ活動して参りました。
そしてさらにその姿を
①地域に役立つ、地域から頼りにされる存在となること
②仲間の輪を広げ続けること
③本音で話せる場をつくること
と定義づけました。

この定義の言葉はいくつものことを私たちに教えてくれます。
たとえば「地域」を「職場」に置き換えてください。
「職場」のみなさんに聞いてみましょう?
みなさんとは組合員でもあり、パート社員であり、派遣社員でもあります。
たとえば「あなたは労働組合が職場から頼りにされている存在であると思いますか?」
たとえば「あなたの職場では「仲間」が増えましたか?」
たとえば、「あなたには本音で話せる仲間がいますか?」
そう聞いた時にどんな答えが返ってくるでしょうか。
結局、労働運動の原点はみなさんの働く現場に戻っていきます。

ここからが勝負どころです。
ビジョンは明確にここにあります。
あとはとにかく汗をかき、今を精一杯生きるのみです。

私はいつも未来は明るいと信じています。
その明るい未来をつくるために連合静岡では、いくつものPJが立ち上がっています。
私自身に対する自戒を込めて、最後に繰り返して小学校教師の言葉を伝えます。
「今を精一杯生きよう。
いつだって、自分にできることを一生懸命にやる。
それしかないんだよ」

それでは限られた時間ではありますが、皆さんの真摯で活発な議論をお願いし、冒頭の挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました」



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