考えるのが好きだった

徒然でなくても誰だっていろんなことを考える考える考える。だからそれを書きたい。

先生の機嫌を取るのではなく、自分でものを考えろ。

2011年11月05日 | 教育
 生徒を指導する際、この頃、鼻に突くのが、何を問うてもじっとこちらを伺って、教員である私の言ったことをそのままオウム返しに自分の考えであるかのようにする返答である。心の底で、しきりに教師の機嫌を取ろうとしているかのようだ。
 「先生は、私が何を言うことを期待しているのか。」
 指導の際に、彼らが最も関心を寄せるのがこれである。
 生徒指導であれ、小論やスピーチ原稿の指導であれ、同じである。
 私が問うているのは、あなたがあなた自身がなぜ、そのように振る舞ったのか、あるいは、なぜ、そのように考えるのか、なぜ、どのようにそれを良しとするか、自分で答えを見いだしたらどうか、ということである。
 それなのに、こちらをじっと伺う。
 「この人にはどのように返答をしたら自分にとって好都合な状況になるか、気に入ってもらえるか」
 ーーーーだれも、そんなことを要求しない。私が求めるのは、君自身が自分で自分に問うことである。それ以上でもそれ以下でも、それ以外の何ごとでもない。
 だのに、これが通じない。

 いかに今の子供たちが、これまで、先生の「評価」をもとに行動してきたのかである。先生の目をどうやって自分に有利な方向に向けるか、いかに高い評価を得るか。そのための最善の策は、先生の要求通りに自分が振る舞うことである。そう、先生の目の前で、振る舞うことが大事なのである。先生のいないところで先生が気に入るように振る舞う必要なんて、さらさらない。大事なのは、今、この瞬間に自分に向けられる評価を最大にすることだ。今のこの瞬間をうまく「やり過ごせば」良いのだ。後のことは、「今」と関係がない。

 「生徒が先生の評価を気にするのは当たり前だろう」と思う方はおられよう。しかし、今どき、度を超している。授業中に先生の話を聞くことだけを勉強にしているのと同じである。これで学力が付くはずがない。(断っておくが、下を見ればキリがない。もう一つ断ると、学校は、生徒が自分の能力を絶対的に高めるべく、つまり、今日よりも明日、明日よりも明後日、自分が成長できるように努力する場である。しかし、評価は常に相対的なものでしかない。)

 自分のやったこと、思ったことを開き直れと言っているのではない。自分を振り返って、真に自分に問え、と言っているのである。ところが、それをしないで、いつまでたっても、「今、この場で自分が何を言えば、この先生は満足をするか」しか、考えない。
 なぜ、そんなことがわかるかって?
 顔を見ればわかる。顔に書いてある。
 ああ、二流どころだな、と思う。
 そういう思考法をたたき壊してやりたい。

 この子たちは、今の教育の犠牲になっているなと思ったりする。でも、だからといって、そのままで良いはずがない。

 というわけで、お互いに、イヤな思いをする。
 ん? イヤな思いをしているのは、私だけか。彼らは、「いつものように」ふるまっっているだけだから。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます。こんにちは。こんばんは。 ()
2011-11-09 21:14:05
私は高校生なんですけど、高校になって、クラスの子の9割5分は先生の機嫌とりで、これが普通なのか?変なの。って私はいつも思ってます。模試の訂正で、訂正だから間違えた所だけでいいと思うけど、先生の機嫌を損ねないために徹夜して、朝からまた病気みたいにずっとしてたり…
ある教科の先生は、授業中の間違えもゆるされないような雰囲気です。先生の授業のペースを乱すといけないから。テストの結果が悪いと、「私は留年させることもできますよ」とかなんとか言います。だから、機嫌を損ねないのと、今日の機嫌はどうだとか、毎日毎回バリバリです。私は先生の機嫌をとるとか今まで考えたこともなく、びっくりしました。先生側からも機嫌とってるんは分かるんですね。あなたが先生という立場の方かは分からないけど。
返信する
こんにちは (ほり(管理人))
2011-11-09 22:12:38
赤さん、ご訪問&コメントをありがとうございます。

先生は、表現の形態や形式はどうであれ、基本的には生徒の能力を高めたいと考えるものです。
でも、生徒の方は、「先生に叱られたくない。気分悪いし不快でイヤだから。」また、「先生は権力者だから権力者の機嫌を損ねると自分に不利になる。」などの理由で先生に気を遣うことがよくあります。
こうした「行き違い」がときどき起こるようです。

大事なのは、学校は若い人の力を高めるべきところだととらえることだと私は思います。
そうした「基本合意」がもっとはっきりするといいなと個人的に思っています。

赤さんは、「>先生の機嫌をとるとか今まで考えたこともなく、びっくりしました。」とのことで、学びの徒らしくていらっしゃるのだろうと拝察します。
学校では、ご自分の能力を高めるべくさまざまなことを学んで過ごしてください。

ところで、私は高校生がこのブログを訪れることを好みません。
パソコン画面上の「記号」の世界、かつ、視覚と聴覚の世界ではなく、すばらしいリアルの世界で、生身の人間の五感を培って欲しいからです。
せっかく来ていただきましたが、今後はご遠慮ください。

返信する

コメントを投稿